ヒトヘルペスウイルス6型関連急性脳症を発症し回復期に舞踏病様運動を呈したDravet症候群の1例

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タイトル別名
  • A case of Dravet syndrome complicated by human herpesvirus-6 infection-associated acute encephalopathy and choreoathetosis

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説明

<p> 生後4カ月からけいれん発作を繰り返し, 遺伝子解析でSCN1Aにスプライス部位変異 (c.1170+1G>A) を認め, Dravet症候群と診断されていた1歳2カ月の女児. ヒトヘルペスウイルス6型 (HHV-6) 感染を契機に急性脳症を発症. 高熱の持続, 重度の意識障害, けいれん重積・群発を呈し, 脳波は全般性徐波を示した. 挿管・人工呼吸, thiopental投与, 大量ステロイドなどの治療を行い, 急性期の諸症状は改善したが, 回復期に顔面・四肢の舞踏病様の不随意運動がみられ, haloperidolを必要とした. 急性期の脳MRIは異常を認めなかったが, 回復期に大脳のびまん性萎縮を認めた. 回復期のsingle photon emission computed tomography (SPECT) では両側の前頭側頭葉皮質の血流低下を認めたが, 後頭葉, 大脳基底核, 小脳の血流は保たれていた. 退院時には頚定がとれず有意語も消失し, 重度の神経学的退行を認めた. 全体の臨床経過とSPECT所見は, 二相性けいれんと遅発性拡散能低下を呈する急性脳症に類似していたが, 急性期MRIで皮質下白質の拡散制限がみられなかった点および急性期の経過が重篤で長かった点は非典型的であった. Dravet症候群に様々な種類の急性脳症が合併しやすいことが報告されており, Dravet症候群の患児における有熱性けいれん重積には慎重な対応が必要である.</p>

収録刊行物

  • 脳と発達

    脳と発達 49 (1), 32-36, 2017

    一般社団法人 日本小児神経学会

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