東濃厚生病院禁煙教室7年間の成果の検討

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抄録

<はじめに>本邦の禁煙治療のほとんどは、医師面接型の禁煙外来によるニコチン置換療法(NRT)が主流であるが、その成功率は必ずしも高いと言えない。1999年9月に開講した当院禁煙教室は、2006年9月に8年目を迎えた。この間400名以上の禁煙指導・治療を行い、その中で特に当院独自の禁煙プログラムを実施した参加者の1年後禁煙継続率は数年来60%前後を維持している。今回、その教室での禁煙プログラムの成果を検討したので報告する。<BR><方法>対象は1999年9月から2006年3月までに当院禁煙プログラムを実施した、教室参加者232名である。禁煙開始1年後の禁煙継続率および、年度ごとの累積禁煙継続率を検討した。なお、当教室で行う6ヵ月間の禁煙プログラムは、6ヵ月間の禁煙行動療法の体得と実践に、初期8週間のNRTを併用したものである。医師・薬剤師・看護師・栄養士・理学療法士等から成る禁煙専門サポートチームが、1グループ10名以内の小グループ単位の参加者に対し、患者参加型の禁煙指導・治療を行う。さらに、管理栄養士による体重増加防止の栄養指導、理学療法士による禁煙ストレスを取る体操を定期プログラムに取り入れている。<BR><結果>232名の禁煙開始8週間後・6ヵ月後・1年後の各禁煙継続率は、78.4%、70.3%、64.7%であった(2006年3月現在)(Figure 1(A))。また、累積禁煙継続率をFigure1(B)に示す。1年禁煙継続者の78.0%が、禁煙教室での禁煙は楽と答えた。<BR><結論>当院で行う、6ヶ月間の患者参加型禁煙教室は、この7年間、高い1年禁煙継続率を維持し、参加者に対して効果的な禁煙治療を提供できていたと考える。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205518284672
  • NII論文ID
    130006944748
  • DOI
    10.14879/nnigss.55.0.89.0
  • ISSN
    18801730
    18801749
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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