緊急3D-CT Angiography検査の対応訓練の実施

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抄録

<背景><BR> 当院では従来、急性脳血管障害(脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血)患者に対しては、アンギオ検査を行っていた。しかし現在では、MDCTの普及により3D-CT Angiography(以下3D-CTA)の依頼が増加している。<BR> 2007年1月より、tPA治療を行うため、3D-CTA 検査を24時間体制で行うことが決定し、休日、夜間においても迅速な対応が必要となった。従来は電話にてCT担当者を呼び出していたが、それでは対応が遅くなり問題が生じると考えられた。<BR> <目的>急性脳血管障害患者に対し、すべての技師が頭頚部CTA検査に対応できるトレーニング体制を整える。<BR> <方法><BR> 1. 検査手順を可能な限りシンプルにするため、最低限の検査プロトコルを作成した。トレーニングではそれをベースに使用機器の取り扱い、患者のポジショニングなど各技師に説明し理解させた。<BR> 2. 内容説明だけでは、手技及び撮影タイミングにおいてミスをする恐れがある。そのため、毎日の始業時間前に、頭頚部CTA検査予定時刻を各部署に伝え、実際の検査に立ち会うことができる体制にした。また、救急検査時においても同様とした。<BR> 3. 複雑な行程を必要とする画像作成においては、各技師の空いている時間に画像作成ソフトの操作、脳血管のVolumeRendering(VR)画像、内頚動脈のMPR画像作成プロトコルを説明した。<BR> 4. 一通りのトレーニングを経験した技師は、時間外検査に一人で検査に対応する事となるが、疑問が生じた時にはすぐにCT担当技師と電話で対応できるようにした。<BR> <結果と考察><BR> 現在では、多くの技師が検査対応可能となった。そのため、緊急のCT担当者の呼び出しはなくなり、より迅速に情報提供が可能となった。また、3D-CTA検査トレーニングの効果により脳動脈瘤クリッピング后のフォローアップや、他の部位のCTA検査等にも広く対応が可能となっている。このことからも、トレーニングの効果は大きいと考えられる。しかし日常業務のシフト上の問題でトレーニングに参加が出来ない、参加しても担当する順番が回ってこない等の問題があり、日直当直勤務をする技師全てが検査可能という訳ではない。また、複雑なVR画像、MPR画像作成にはまだまだ時間がかかることも問題であり、さらなる時間の短縮が必要である。<BR> 現在、時間外勤務における3D-CTA検査は増加していることからも、今後は、より多くの技師の検査習得を進めていく必要がある。またCT同様に緊急MRI検査にも対応できる体制も整える必要がある。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205518298752
  • NII論文ID
    130006944767
  • DOI
    10.14879/nnigss.56.0.101.0
  • ISSN
    18801730
    18801749
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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