マイコプラズマ脳炎・脳症8例の臨床的検討

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タイトル別名
  • Clinical features of eight pediatric patients with <i>Mycoplasma pneumoniae</i>-associated encephalitis/encephalopathy

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説明

<p> 【目的】マイコプラズマ感染症に合併した急性脳炎・脳症の小児例の臨床的特徴を後方視的に検討する. 【方法】2010年から2016年に当院および関連施設に入院した0~15歳の小児患者のうち, マイコプラズマ感染症に急性脳炎・急性脳症を合併した症例を後方視的に検討した. 【結果】該当症例は8例で, 男児6例, 女児2例, 年齢は2~14歳であった. 発熱や咳嗽などの前駆症状から神経症状発現まで3日以内の早期発症型2例と, 10日以降の遅発発症型6例に分けられた. 早期発症型は可逆性脳梁膨大部病変を有する軽症脳炎 (以下, MERS) が2例, 遅発発症型は自己免疫性辺縁系脳炎が3例, 急性散在性脳脊髄炎が1例, Bickerstaff型脳幹脳炎が1例, 分類不能の急性脳症が1例であった. 予後は6例で後遺症を認めず, 小脳病変を伴うMERSの1例で構音障害を, 辺縁系脳炎の1例で軽度知的障害を残した. 【結論】前駆症状として咳嗽が目立たない症例もあり, 小児の原因不明の脳炎・脳症を見た場合は, マイコプラズマ感染を疑い検査をすることが重要と考えた. 本邦からのマイコプラズマ脳炎・脳症のまとまった報告は少ないが, 近年loop-mediated isothermal amplification法によるDNA検出検査の開発によりマイコプラズマ感染の診断が簡便となってきており, 今後更なる症例の蓄積が期待される.</p>

収録刊行物

  • 脳と発達

    脳と発達 50 (1), 50-54, 2018

    一般社団法人 日本小児神経学会

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