愛知県厚生連8病院臨床検査技術科の業務改善に向けた取り組み

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説明

【はじめに】平成22年度の診療報酬改定では10年ぶりに上方修正されたものの,本邦の現状を考慮すれば今後医療業界の飛躍的な経営回復は望めない。さらに医療資源偏在による地域医療の崩壊はすでに大きな社会問題となっている。愛知県厚生連では地域医療を守ることを基本姿勢とした第12次中期計画が策定された。これを遵守するための業務改善を目的とし,これまで愛知県厚生連8病院の臨床検査技師220有余名が行ってきた活動とその考察,さらに今後の課題と展望を検討したので併せて報告する。<BR> 【活動内容】<BR> 1)愛知県厚生連臨床検査技師会(技師会)<BR>  平成20年度は秋季研修会(新病院見学),春季研修会(各病院代表者によるシンポジウム),分科会2回(分析1回,生理1回)を行った。平成21年度は秋季研修会(病院経営戦略に関する講演),春季研修会(診療報酬改定に関する講演,各病院代表者によるシンポジウム),分科会4回(分析1回,生理1回,病理細胞1回,微生物1回)を行った。また,技師間の交流を深めるため各年度1回の親睦会も開催した。<BR> 2)臨床検査技術科技師長会議(技師長会)<BR> 隔月で開催され,各病院の検査科稼働調査,医療安全に関するレポート集計と参考事例の集積,試薬価格調査,委託外注価格調査,当直時検査項目調査,学会・研修会参加状況調査を行った。また,新型インフルエンザ対応策なども討議した。<BR> 【考察と課題】技師会による研修会や分科会の開催により,共通のコスト意識や医療知識および技術を得る事が可能であると思われた。技師長会で報告された調査成績を共有することにより,試薬・資材または外部委託検査の一部価格是正を行うことができた。一方,これらの活動を継続すると共に,内容の見直しやアンケートなどによる会員の意識調査なども必要であると思われた。今後は,愛知県厚生連8病院臨床検査技術科全体での人材育成や人材共有なども行っていきたいと考えている。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205519194624
  • NII論文ID
    130006945683
  • DOI
    10.14879/nnigss.59.0.440.0
  • ISSN
    18801730
    18801749
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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