外来インスリン使用患者に対する薬剤指導の検討
書誌事項
- タイトル別名
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- 患者アンケートの結果より
説明
<諸言>当院でのインスリン導入は基本的に入院で行われており、導入時には薬剤師からの薬剤管理指導も行われる。しかし、外来移行後は薬剤師がフォローするということは無く、患者が在宅でどのようにインスリンを管理し、使用しているのかは不明であった。そこで、外来患者にもインスリンの薬剤指導を行ってはどうかと考え、その必要性を探るべく、個別面談での患者アンケート調査を行ったので報告する。<BR> <方法>2011年1月から2011年3月までの3ケ月間に、当院外来を受診されたインスリン治療中の患者141名のうち、同意の得られた患者57名を対象とした。 当院保健師と協力し、対象患者にインスリンの薬剤指導に関して15分程度の個別面談式アンケートを実施した。さらに、対象患者をインスリン治療歴6ヶ月以上の群(_i_群)と、インスリン治療歴6ヶ月未満の群(_ii_群)に振り分け、検討を行った。<BR> <結果>_i_群が全体の84%、_ii_群が16%と治療歴の長い患者が大半を占めた。<BR> _i_群の35%、_ii_群の11%の患者が、インスリンの単位を自己調節する等、手技に問題がみられ、治療歴の長い患者程アドヒアランスが低下している傾向にあった。<BR> 「薬剤師からの指導を希望する」と回答した患者は_i_群で17%、_ii_群で67%と、治療歴の短い患者からは薬剤指導の希望が多くあり、「インスリン治療に不安を感じている」等の意見があった。<BR> <考察>治療歴が長い患者はアドヒアランスが低下傾向にあることから、医療スタッフが必要と判断した場合に、薬剤師による指導を行うことができる体制を作り、治療歴の短い患者からは薬剤指導の希望が多くあることから、導入時の指導に加えて外来移行後に再指導が行えるシステムを構築する必要がある。<BR> 今回の調査では薬剤指導の必要性とともに、個々の患者からの具体的な要望を把握することができた。<BR> 今後も更なる調査を行い、よりきめ細やかな指導を行えるよう検討していきたい。
収録刊行物
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- 日本農村医学会学術総会抄録集
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日本農村医学会学術総会抄録集 60 (0), 141-141, 2011
一般社団法人 日本農村医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205519336448
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- NII論文ID
- 130006945835
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- ISSN
- 18801730
- 18801749
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可