血液透析患者に対するフットケアの実践・継続への取り組み

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抄録

〈はじめに〉当院透析センターでは,下肢及び足趾切断3<BR> 例の症例を経験した事でフットケアの必要性を認識し,4<BR> 年前に足病変チェック用紙を作成しフットケアを開始した<BR> が,チェック用紙の不備,フットケアに対する看護師の意<BR> 識の差などにより継続できなかった。今回フットケアチー<BR> ムを立ち上げ,勉強会の開催,足病変に対するケアの標準<BR> 化,チェック用紙の見直しを行った事でフットケアの実<BR> 践,継続につながったので報告する。<BR> 〈方法〉<BR> 1.研究期間:平成20年5月1日~9月30日<BR> 2.内容:1)フットケアチームの編成,2)足病変<BR> チェック用紙の見直しと作成,3)フットケアの実践<BR> 〈結果及び考察〉フットケアチームを編成し,勉強会の開<BR> 催やフェイススケールを取り入れたチェック用紙の見直し<BR> を行った。毎月2週間のフットケア週間を設け,患者を数<BR> 名ずつ振り分け,スタッフに負担が少なく業務にも支障を<BR> きたさないよう工夫した。ケアの標準化を図りスタッフ全<BR> 員同じ視点で観察できた事がケアの実践,継続につながっ<BR> た。今回フットケアを実践し,患者は足病変に気付いてい<BR> ても看護師に言う程ではないと自己判断し,神経障害があ<BR> る事すら気付いていない症例もあり,看護師の関わりが重<BR> 要であると感じた。今後ますます透析患者の高齢化や糖尿<BR> 病性腎症患者の増加に伴い,フットケアは透析看護の一つ<BR> として不可欠であり,看護師の果たす役割は大きいと言え<BR> る。今回,問題点として要治療,観察の基準が無いことが<BR> 表出された。今後,褥創のブレーデンスケールのような足<BR> のアセスメントスケールを作成することが課題と言える。<BR> 〈結論〉<BR> 1.フットケアチームを編成し,ケアの標準化を図り,定<BR> 期的なチェックを行った事で看護師間でフットケアの必<BR> 要性が認識され関心も高まった。<BR> 2.足病変チェック用紙を使い易く改善した事は,フット<BR> ケアの実践,継続につながった。<BR>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205519349248
  • NII論文ID
    130006945848
  • DOI
    10.14879/nnigss.58.0.293.0
  • ISSN
    18801730
    18801749
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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