輸液ポンプ閉塞圧アラームについての検討

説明

〈はじめに〉当院では,2006年6月に輸液ポンプTE―161S<br> を導入し,現在TE―161S,TE―171の2種類の輸液ポン<br> プを使用している。<br> 今回,病棟よりTE―161S の閉塞アラームが頻回である<br> と相談を受け,2機種において閉塞圧の変化を測定したの<br> で報告する。<br> 〈方法〉TE―161S を3台(A,B,C),TE―171を2台(D,<br> E)使用し,蒸留水にて流量25ml/h,50ml/h,100ml/h の<br> ときの閉塞圧の変化を新品の専用輸液セットをセットした<br> 時,1時間後,2時間後,4時間後,8時間後,24時間後<br> と測定した。さらに,TE―161S における閉塞圧設定M と<br> H の場合の変化も測定した。<br> 〈結果,考察〉流量25ml/h では,TE―161S(A)は13時間55<br> 分で,(B)は17時間48分で,(C)は9時間24分で閉塞アラーム<br> が発生した。TE―171(D) は閉塞圧設定M の基準値を4時間<br> 後の閉塞圧測定値より上回り,(E)では24時間後の閉塞圧測<br> 定値より上回った。TE―161S にて閉塞圧設定をH に変更<br> しても(A)は13時間55分で,(B)は5時間55分で閉塞アラーム<br> が発生した。流量50ml/h では,TE―161S(B)は16時間で閉<br> 塞アラームが発生した。その他,流量50ml/h,100ml/h の<br> ときはTE―161S においてセットした時点より徐々に閉塞<br> 圧が下がる傾向にあり,TE―171においては徐々に閉塞圧<br> が上がる傾向にあった。<br> 機種により閉塞アラーム検出のセンサ部分における構造<br> が異なるため経時的な変化に差が生じたと考えられる。<br> 〈まとめ〉輸液ポンプのアラームが頻回に発生することで<br> 病棟においてスタッフの少なくなる深夜帯では他の業務に<br> 支障をきたす可能性がある。今回の結果より24時間ごとに<br> チューブをずらす運用を検討しなおす必要があると考えら<br> れる。また,機器の構造と閉塞特性に関してはメーカーと<br> 協力して更なる検討が必要であると考えられる。<br>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205519390208
  • NII論文ID
    130006945873
  • DOI
    10.14879/nnigss.58.0.258.0
  • ISSN
    18801730
    18801749
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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