アルギニン・微量栄養素強化飲料(アルジネード)投与による創傷治療効果の1例
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説明
〈はじめに〉創傷予防および治療における栄養管理の必要<BR> 性が認識され,PEM(たんぱく質,エネルギー低栄養状<BR> 態)への対応も重要視されているが,微量元素(亜鉛,鉄,<BR> 銅),ビタミン(A,C,E),アルギニンなどの栄養素が<BR> 欠乏状態に陥らないことも大切である。今回重度の蜂窩織<BR> 炎にて入院し,ALB などの栄養状態が不良・下腿潰瘍を<BR> 認めたためアルギニン・微量栄養素強化飲料を投与した患<BR> 者について検討した。<BR> 〈症例〉66歳女性。平成20年末から両足下腿に浮腫が増強<BR> し,利尿剤の内服にて経過を見ていたが,数日前から発<BR> 赤・熱感・疼痛も出現し4日前から足の色が悪くなり,急<BR> 激に水泡形成,下腿潰瘍化し,重度の蜂窩織炎にて入院と<BR> なる。<BR> 身体所見:H143.0cm,BW34.8kg,IBW45.0kg,<BR> BMI17.0,TSF 8mm,AMC18.12cm,健常時体重比<BR> 77.3%,体重減少率22.7%<BR> 検査結果:TP5.3,ALB2.7,HB8.2,CRP16.71,<BR> TLC12.5,血糖124<BR> 既往歴:平成12年~リウマチ,平成18年~高血圧性疾患<BR> 〈経過〉介入前は,経口栄養で一般食1,600kcal,Pro65g<BR> を摂取されていた。ALB,Hb や創傷部に改善傾向が見ら<BR> れず低栄養状態が続いたため,創傷治療効果が期待される<BR> アルギニン・微量栄養素強化飲料(アルジネード)の投与<BR> (100kcal,Pro5g)を開始した。<BR> 〈結果〉ALB において2.7から3.4に,Hb においては8.2<BR> から8.6と有意に改善傾向が認められ,創傷部においても<BR> 有意に改善傾向が認められた。<BR> 〈まとめ〉創傷の管理・治癒には24時間看護・介護のケア<BR> と,適切な処置が大きく関係しているが,栄養状態の改善<BR> も創傷治癒につなげる1つの効果であると示唆された。<BR>
収録刊行物
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- 日本農村医学会学術総会抄録集
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日本農村医学会学術総会抄録集 58 (0), 346-346, 2009
一般社団法人 日本農村医学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205519470848
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- NII論文ID
- 130006945893
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- ISSN
- 18801730
- 18801749
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可