ポケットを形成したIV度の褥瘡ケア
書誌事項
- タイトル別名
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- !)WOC看護認定看護師介入による褥瘡ケアの改善!)
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説明
<緒言>脳神経外科疾患では、脳圧のコントロールにおける頭側挙上の保持が余儀なくされている。また、意識障害に伴う体動不能により褥瘡発生のリスクが高く、褥瘡形成すると治癒までに長期を要する現状があった。今回、ポケットを形成したIV度の褥瘡に対しwoc看護認定看護師(以下wocナースとする)のコンサルテーション介入により、治癒過程に応じたスタッフへの指導、徹底したケアの実践により褥瘡の治癒が促進した症例を経験したので報告する。<BR><研究方法>研究期間:2005年2月2日から4月12日<BR> 方法:1,wocコンサルテーション依頼方法と活動内容<BR> 2,褥瘡ケア方法(従来のケアとwocナースの指導によるケア) <BR>3, DESIGNで評価<BR>症例紹介:57歳女性 くも膜下出血 水頭症<BR>意識状態遷延 GCS10点(E4V2M4)<BR> 四肢麻痺あり自力体動不能<BR> 第14病日で褥瘡形成 ポケットを形成したIV度の褥瘡を有する患者<BR>倫理的配慮:本研究での写真撮影や経過内容において個人が特定されないように配慮することを説明し、同意を得た。<BR><結果>当院のwocコンサルテーション依頼は規定の依頼書に相談内容を記載しwocナースへ提出。wocナースは初回訪問時に環境や創傷の治癒の評価を行ない、従来のケアの問題点や今後のケア方法を指導。<BR>従来の褥瘡ケアは創部の洗浄後、適宜回診時外科的デブリードマンを施行しつつヨードホルムガーゼを使用しガーゼで被覆する方法であった。予防には体圧分散寝具(エアーマット)を使用し、2時間毎の体位変換を行っていた。wocナースの初回訪問での指導内容は、(1)創周囲の皮膚・創面の洗浄方法(2)ガーゼの当て方(3)マットレス内圧設定チェック(4)シーツ・バスタオルの最小限の使用について(5)体圧のカットオフポイント(6)積極的な外科的デブリードマンの推進であった。指導内容のケアを徹底し1週間毎の訪問時には、必ず医師も同席し、評価・根拠に基づいた治療方針についてのディスカッションが行なわれた。褥瘡は、コンサルト初回DESIGN合計23点であったが、62 日を経過し、10点へと改善がみられた。<BR><考察>褥瘡ケアは、病棟の医師と看護師が取り組むものだという概念があった。しかし、今回のwocナースのコンサルテーション活動によりチーム医療の重要性を再認識できた。的確な指導により、従来のケア方法の問題点をみいだすことができ、治癒傾向につながった。従来のケア方法の問題点として考えられることは、除圧が不十分であったこと、経過に合わせた処置方法ではなかったこと、スキンケアが不十分だったことが挙げられる。これらを改善したことが褥瘡の治癒を促進させたと考える。そして、褥瘡の治癒過程に合わせたドレッシング材や薬剤の選択は効果的であったと言える。また、体圧分散寝具の使用は、適正を十分把握しなければ、効果を得ることは困難である。<BR>woc ナースの訪問は,スタッフに科学的根拠に基づいたケア方法を認識させ、ケアの質を高めることができた。また、それだけではなく医師・褥瘡リンクナース・スタッフの治療やケアに取り組む体制が重要であることを知るよい機会となった。<BR><結語>チーム医療を実践し、科学的根拠に基づいた褥瘡ケアをすることで創傷治癒を促進することができた。<BR>
収録刊行物
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- 日本農村医学会学術総会抄録集
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日本農村医学会学術総会抄録集 54 (0), 307-307, 2005
一般社団法人 日本農村医学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205519486976
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- NII論文ID
- 130006945913
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- ISSN
- 18801730
- 18801749
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可