主要な農業機械の安全使用に関する調査から

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抄録

〈はじめに〉農業機械の安全使用に関しての調査を通して<BR> 現場的な対策を検討したい。<BR> 〈調査方法〉福岡県南部の一農協管内の農事組合組織を対<BR> 象に調査を実施した。内容は草刈機と乗用トラクターの使<BR> 用状況および安全使用,ヒヤリハット経験などに関しての<BR> 質問紙表を用いて行った。<BR> 〈結果〉<BR> 1.草刈機:機械使用時の顔面の防護は,「特にしな<BR> い」が52.9%と半分以上であり,「いつもないしは時々す<BR> る」が31.6%足らずであった。下肢の防護では「特にしな<BR> い」が69.7%,「いつもないしは時々する」が14.2%と非<BR> 常に少なかった。次に履き物は「ゴム長靴」が51.4%と最<BR> も多かった。ヒヤリハット経験では87.2%の者が経験して<BR> おり,内容としては「キックバックを起こして」が<BR> 62.0%,「石や空き缶などの飛来物によって」が53.7%と<BR> 多かった。<BR> 2.乗用トラクター:安全使用に関する研修の受講につ<BR> いては,「受けたことがない」が83.9%であった。次に作<BR> 業者自身の機械使用時の注意で,ブレーキ連結ロックの使<BR> 用では「作業終了後に田畑の昇降路から上がる時に必ずす<BR> る」は49.5%と半分足らずであった。また「路上走行時に<BR> 連結ロックを必ずする」は65.6%となっていた。安全をは<BR> かるためのシートベルトの存在は25.6%が知っており,こ<BR> のうち「必ずないしは時々着用する」者は14.2%に留まっ<BR> ていた。ヒヤリハット経験は41.9%の者が経験しており,<BR> 具体的な内容は「田畑の昇降路を上る時」が31.6%と最も<BR> 多く,次いで「田畑の昇降路を下りる時」が22.0%であっ<BR> た。<BR> 〈まとめ〉事故災害予防策として草刈機では顔面と下肢の<BR> 防護,乗用トラクターでは安全研修の徹底が重要であると<BR> 考えられた。<BR>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205519609088
  • NII論文ID
    130006946019
  • DOI
    10.14879/nnigss.58.0.355.0
  • ISSN
    18801730
    18801749
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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