医療機器安全管理料1調査結果と今後の展開

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  • ~厚生連医療材料全国共同購入委員会臨床工学部会アンケートより~

抄録

はじめに<BR> 平成20年度診療報酬改訂により『医療機器等安全確保に係わる評価』が加わった。これは平成18年6月の医療法改正に踏まえ、医療機関における医療機器の安全確保や適正使用を一層推進する為、特に安全管理の必要性が高い生命維持に直接関与する医療機器の専門知識を有する臨床工学技士の配置について評価するというものであった。残念ながら全国に27万5千人いる(H19年度末)人工腎臓は除かれてしまった。<BR> 目的及び方法<BR> 厚生連医療材料全国共同購入委員会のもとにあり、臨床工学技士で組織されている「厚生連医療材料全国共同購入委員会・臨床工学部会」で医療機器安全管理料1(50点:1ヶ月に1回)の算定状況を把握するため、第16回臨床工学部会にて「医療安全管理料1相模原協同病院の事例報告」を行い、対象機器を全て保有している当院の状況を報告し、新人技士の1ヶ月の給料分にしか満たないという現状であることから、各種学会・行政にアピールをする目的で協力厚生連病院(49施設)に医療安全管理料1についてのアンケート調査を実施したので報告する。<BR> 結果<BR> ・回答を頂いた49施設の医療機器安全管理料1の申請率は86%であった。<BR> ・医療機器安全管理責任者は、64%が臨床工学技士であり、ついで医師16%であった。実際に医療機器の安全管理を実施しているのは、放射線部門管轄以外は臨床工学技士であった。管理体制では、専任体制をとっている施設が22%であり、半分以上の施設が兼任となっている。<BR> ・アンケート結果以外に医療機器安全管理料1について感じることを記載して頂いたが、ほとんどの回答者は今回の診療報酬50点に満足はしていなかった。<BR> 考察<BR> 申請率、臨床工学技士体制、機器の保有状況、使用件数、安全講習、保守点検などの実態を調査したが、厚生連病院での医療機器の管理状況は質の高い、安全な医療を提供できていると感じた。H22年度の改定では50点から100点に変わったが、まだまだ物足りない。今後も臨床工学部会で重点課題として取り組んで行く方針であるため、より正確な実態を把握し、正確なデータを取得することが重要である。そしてもっと内外にアピールし、次回の診療報酬改定でのさらなる高評価につなげたい。そのためにも厚生連病院臨床工学技士はもっと(臨床工学部会以外でも)交流することが必要であると思われた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205519700096
  • NII論文ID
    130006946116
  • DOI
    10.14879/nnigss.59.0.348.0
  • ISSN
    18801730
    18801749
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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