皮膚・排泄ケア認定看護師のチーム医療における役割
抄録
褥瘡の発生要因は複雑で全身状態,スキンケア,栄養,<BR> 体位保持,体圧分散寝具,介護力などさまざまなものがあ<BR> る。そこで多職種がその専門性を最大限に発揮しながら連<BR> 携することで,質の高いケアを患者に提供することが出来<BR> る「チーム医療」のアプローチが有効である。当院では<BR> 2006年度より院内褥瘡保有者全員を毎週1回皮膚科医師,<BR> 皮膚・排泄ケア認定看護師(以下WOCN),褥瘡リンク<BR> ナース,栄養士,訪問看護師長,病棟担当看護師と共に回<BR> 診している。具体的には皮膚科医師は必要時デブリードマ<BR> ン,創傷被覆材,薬剤の決定を行い,WOCN は看護師と<BR> 共にスキンケアや体位保持が適切であるかの評価,褥瘡の<BR> 重症度評価スケールDESIGN を用いた評価などを行って<BR> いる。栄養士は嗜好調査や,不足した栄養の補充,訪問看<BR> 護師は自宅へ帰る際に介護力に合わせケアの提案を行って<BR> いる。WOCN はこれらの多職種間のコラボレーションを<BR> 効率的に行い,そこで推奨されたケアを担当医,リハビリ<BR> へ連絡している。このようにWOCN は褥瘡の専門家とし<BR> て最新の知識と技術を提供する以外にも一人の患者を中心<BR> においたチームのコーディネーター役として,役割を担う<BR> ことで患者個々に合わせた安楽で安全なケアを提供してい<BR> る。<BR> 褥瘡のみならず,WOCN の分野である創傷・ストー<BR> マ・失禁においても担当医師や皮膚科医師と連携しながら<BR> 介入している。この3分野のコンサルテーション延べ介<BR> 入件数は2006年度1,899件,2007年度2,310件,2008<BR>年度 3,005件と年々増加しており,リソースとしての需要も高<BR> くなっている。さらに看護部専従として活動しているた<BR> め,どの病棟にも中立的な立場で関わることが出来るので<BR> コーディネーター役がしやすい。今後も,多職種間のコー<BR> ディネーターとしての役割を生かし,医療者の意識,ケア<BR> 技術,アセスメント能力の向上を通じて院内全体の質の向<BR> 上を図っていきたい。<BR>
収録刊行物
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- 日本農村医学会学術総会抄録集
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日本農村医学会学術総会抄録集 58 (0), 38-38, 2009
一般社団法人 日本農村医学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205519765888
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- NII論文ID
- 130006946188
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- ISSN
- 18801730
- 18801749
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可