書誌事項
- タイトル別名
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- Study on Dental Hard Tissues Irradiated by an Er, Cr: YSGG Laser : Surface Characteristics and Cutting Efficiency
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説明
今回,われわれはEr,Cr:YSGGレーザーの硬組織切削に最適な照射条件を確立するため,各種照射条件(照射出力,周波数,水および空気量)により照射された除去歯質量(直径,深さおよび削除体積量)の計測および歯質の観察を行い,検討した.被験歯として,健全ヒト大臼歯を使用し,エポキシ樹脂に包埋後,エナメル質あるいは象牙質をモデルトリマーを用いて露出し,耐水研磨紙にて#2,000まで研磨を行い,試料とした.Er,Cr:YSGGレーザーの水および空気量をそれぞれ30あるいは60%に固定し,照射出力を0.25,1.00,3.00,5.00Wに,また周波数を10,20,50Hzにそれぞれ設定し,照射距離1mmにて1秒間照射後,直径,深さおよび削除体積量を計測し,SEM観察を行った.その結果,エナメル質,象牙質のいずれにおいても,照射出力を高くすることにより,また周波数を下げることにより,削除量は増大した.エナメル質では照射出力5.00W,周波数20Hz,象牙質では照射出力3.00W,周波数20Hzという条件において効果的な除去が可能となったが,熱による影響を受けた像やクラックが観察された.Er,Cr:YSGGレーザーの出力をエナメル質では照射出力5.00W,周波数20Hz,象牙質では照射出力3.00W,周波数20Hzに設定し,水および空気量を変化させ,照射距離1mmにて1秒間照射後,直径,深さおよび削除体積量を計測し,SEM観察を行った.エナメル質においては,水量は95%,空気量は100%の設定で,また象牙質においては,水量は75%,空気量は100%の設定で最も除去効率が優れていた.しかしながら,エナメル質,象牙質のいずれにおいても,熱による影響を受けた像やクラックが観察された.今回のEr,Cr:YSGGレーザーにおける照射歯質に関する研究の結果,以下の結論を得た.1.エナメル質,象牙質双方において,出力を高くすることにより,また周波数を下げることにより削除量は増大した.2.エナメル質,象牙質双方において,熱による影響を受けた像やクラックが観察された.3.エナメル質では照射出力5.00W,周波数20Hzでレーザー切削面における直径,深さおよび削除体積量が最大となった.また象牙質では照射出力3.00W,周波数10Hzでレーザー切削面における直径および削除体積量が最大となった.4.水および空気量はエナメル質においては,水量は95%,空気量は100%の設定で,また象牙質においては,水量は75%,空気量は100%の設定でレーザー切削面における直径,深さおよび削除体積量が最大となった.
収録刊行物
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- 日本歯科保存学雑誌
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日本歯科保存学雑誌 53 (2), 147-158, 2010
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205520291840
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- NII論文ID
- 110007880720
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- NII書誌ID
- AN00191201
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- ISSN
- 21880808
- 03872343
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可