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- 荒川 真
- 広島大学大学院医歯薬学総合研究科展開医科学専攻顎口腔頸部医科学講座健康増進歯学分野
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- 白井 憲一
- 広島大学大学院医歯薬学総合研究科展開医科学専攻顎口腔頸部医科学講座健康増進歯学分野
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- 鈴木 茂樹
- 広島大学大学院医歯薬学総合研究科展開医科学専攻顎口腔頸部医科学講座健康増進歯学分野
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- 本山 直世
- 広島大学大学院医歯薬学総合研究科展開医科学専攻顎口腔頸部医科学講座健康増進歯学分野
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- 山下 明子
- 広島大学大学院医歯薬学総合研究科展開医科学専攻顎口腔頸部医科学講座健康増進歯学分野
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- 峯岡 茜
- 広島大学大学院医歯薬学総合研究科展開医科学専攻顎口腔頸部医科学講座健康増進歯学分野
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- 藤井 理史
- 広島大学大学院医歯薬学総合研究科展開医科学専攻顎口腔頸部医科学講座健康増進歯学分野
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- 西村 英紀
- 広島大学大学院医歯薬学総合研究科展開医科学専攻顎口腔頸部医科学講座健康増進歯学分野
書誌事項
- タイトル別名
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- Anti-demineralizing Effect on Teeth by Surface Coating
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説明
根面う蝕は社会の高齢化に伴い増加傾向にあり,その対策が求められている.う蝕は歯質表面の脱灰から始まるため,初期の脱灰を阻止することができれば,後に続く歯質の破壊も阻止できる可能性がある.その方策を検討した結果,歯面コート材を応用することとした.その理由として,同材料は十分な耐酸性を備え,歯への侵襲もきわめて少ないことが挙げられる.これを歯質表面に応用することにより,う蝕への罹患を抑制できるのではないかとの発想にいたった.実験には,抜去後冷凍保存されたウシ下顎前歯歯根部を用いた.耐水研磨紙にて平坦化したセメント質表面に「コーティング面」および「非コーティング面」を設けた.前者に対しては,知覚過敏抑制材MSコート®(サンメディカル)もしくは光重合型表面滑沢材Gコート®(ジーシー)を用い,製造者指示どおりに歯質表面のコーティング操作を行った.後者に対しては特に処理を行わなかった.こうして作製した試料を37℃に加温した0.1mol/l乳酸水溶液(pH=4.8)中に36時間浸漬して脱灰させた.実験期間終了後,試料を蒸留水で洗浄,乾燥させ,光学顕微鏡にて「非コーティング面」における脱灰部分の厚みを測定した.得られた結果には統計学的処理を行った.また,脱灰計測時と同様に作製した試料において,歯質と歯面コート材との接合界面を走査電子顕微鏡(SEM)により観察した.その結果,「非コーティング面」のセメント質厚さは減少した.減少率はMSコート®群で平均38.8%,Gコート®群で同じく28.4%であり,両群ともに「コーティング面」と比較して有意に厚みが減少した(p<0.01,Fisher's PLSD test).またSEMによる観察の結果,両群ともに歯質-歯面コート材界面の接合状態は良好であり,ギャップなどの存在は確認されなかった.以上より,歯面コート材を歯質表面に対して応用すると,歯質の脱灰抑制に有効であることが明らかとなった.
収録刊行物
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- 日本歯科保存学雑誌
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日本歯科保存学雑誌 53 (1), 73-79, 2010
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205520308736
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- NII論文ID
- 110007880713
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- NII書誌ID
- AN00191201
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- ISSN
- 21880808
- 03872343
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可