歯根膜細胞と骨芽細胞様細胞の細胞遊走能・生存能に対するバイオガラス配合シーラーの影響

DOI オープンアクセス
  • 鷲尾 絢子
    九州歯科大学口腔機能学講座口腔保存治療学分野
  • 吉居 慎二
    九州歯科大学口腔機能学講座口腔保存治療学分野
  • 諸冨 孝彦
    九州歯科大学口腔機能学講座口腔保存治療学分野
  • 前田 英史
    九州大学大学院歯学研究院 口腔機能修復学講座 歯科保存学研究分野
  • 北村 知昭
    九州歯科大学口腔機能学講座口腔保存治療学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of Bioactive Glass Based Sealer on Cell Migration Ability and Viability of Periodontal Ligament Cells and Osteoblast-like Cells

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抄録

<p> 目的 : 根管充塡用シーラー (以下, シーラー) には生体親和性が必須である. 本研究では, 新規に開発したバイオガラス配合シーラー (以下, BG配合シーラー) の生体親和性を明らかにすることを目的として, 細胞遊走能と生存能に及ぼす影響を検討した.</p><p> 材料と方法 : Transwellの下層wellに歯根膜細胞 (HPDLC) と骨芽細胞様細胞 (MC3T3-E1) を播種・培養後に既存の各種シーラー (ユージノール系・非ユージノール系) およびBG配合シーラーを入れたinsertを挿入し, 細胞遊走試験により細胞遊走能を, トリパンブルー染色により細胞生存能を測定した.</p><p> 成績 : 細胞遊走試験において, HPDLCはユージノール系シーラーノーマル刺激群では生存細胞が認められず細胞遊走能は測定できなかった. ユージノール系シーラークイック, 非ユージノール系シーラーおよびBG配合シーラー刺激群では, 細胞遊走は認められるもののcontrolと比較して抑制されていた. MC3T3-E1は, ユージノール系シーラーノーマル刺激群では細胞は生存しているものの細胞遊走は認められなかった. ユージノール系シーラークイック, 非ユージノール系シーラーおよびBG配合シーラー刺激群では, controlと比較して細胞遊走に差は認められなかった. 細胞生存試験において, ユージノール系シーラーノーマルおよびユージノール系シーラークイック刺激群では細胞生存数は著しく低下したが, 非ユージノール系シーラーおよびBG配合シーラー刺激群では経時的に細胞生存数は増加した.</p><p> 結論 : BG配合シーラーは歯根膜細胞の遊走能に影響を与えるものの阻害はしないこと, 骨芽細胞様細胞の細胞遊走には影響しないこと, また両細胞の生存能には影響しないことが明らかとなった. 以上の結果は, BG配合シーラーは高い生体親和性を有することを示唆している.</p>

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