医療環境の禁煙化と禁煙外来の実績
抄録
〈緒言〉喫煙の有害性が解説され、公共的な施設から順次、禁煙化が推進されてきましたが、男性の約40%が喫煙者であるわが国で病院敷地内を完全禁煙にするのは難しい問題でした。平成14年9月に新築移転した当院は喫煙室を設けておりましたが、健康を重んじる病院が喫煙を認める環境であってはならないと考え、平成17年10月より病院敷地内禁煙化に踏み切りました。平成17年12月からは毎週禁煙外来を設け、地域の学校や会社へは喫煙の有害性を講演して、地域内啓蒙に努めてきました。当初は様々な抵抗はありましたが、5年を経過しましたので、それまでの過程と禁煙支援外来の実績を報告いたします。 〈方法〉平成15年11月□院内を禁煙にしていく方針を表明し、平成17年6月から順次喫煙室を閉鎖して平成17年10月に敷地内全面禁煙としました。また平成17年12月より禁煙支援対策委員会を立ち上げて院内の禁煙を推奨し、毎週、禁煙外来を開設しました。 〈結果〉地域内の高校へ出向いたり市民健康講座や産業医活動で禁煙の講演を行い、地域内啓蒙に努めました。禁煙支援外来の実績□平成17年12月1日から平成22年9月30日までの約5年間で、285名が禁煙に挑戦しました。男女比は7:2で全体の平均年齢は53.6歳で男性の平均年齢は55歳、女性の平均年齢は48.6歳であった。禁煙成功は220名、不成功40名となり、途中で外来受診なく結果不明の25名を不成功例とすると成功率は77.2%となりました。 〈結論〉喫煙は個人の嗜好で誰も禁煙を強要できないとはいえ、受動喫煙の有害性もあり、病院が喫煙を認める姿勢であってはならない。今後、どうしても禁煙できない入院患者さまを如何に処遇するかなどの問題は残しますが、身体にとって有害性があるのは事実ですので、院内に止まらず、地域の住民へも同時に禁煙支援と禁煙の啓蒙を続けていく必要があります。
収録刊行物
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- 日本農村医学会学術総会抄録集
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日本農村医学会学術総会抄録集 60 (0), 72-72, 2011
一般社団法人 日本農村医学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205520650880
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- NII論文ID
- 130006946519
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- ISSN
- 18801730
- 18801749
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可