手術室看護場面におけるコミュニケーションの分析から言葉カードの作成

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  • 難聴者11症例に使用しての評価

抄録

〈はじめに〉 難聴は一般的に、65歳以上の1/2に発生していると言われている。当院では65歳以上の患者の占める割合は、手術件数の49~55%である。これまでは、従来からあるカード・手話を用いてのコミュニケーションを行ってきた。しかし、処置に合う言葉が見つからず、急遽筆談の追加などで対応していた。手術室看護師に手術看護場面ごとに使用している言葉を調査・分析した。そして、コミュニケーションの円滑化をはかるため、言葉カード(手術看護場面ごとに分類した言葉をファイル形式にしたもので、以下言葉カードという)を作成した。これを実際に使用し、評価したことを報告する。<BR>〈方法〉 手術室看護師24名にアンケート調査を実施し言葉カードを作成した。次に、H21年8月~10月の、「難聴で完全に音が理解できない」または、「大きな声で理解できる患者」11名を対象とし、 手術前訪問から、退室まで言葉カードを用いて説明を行う。<BR> 手術後1~3日目頃に手術後訪問を行い、アンケート実施(ビジュアルアナログ尺度を使用)し、点数化した。<BR>〈結果・考察〉 言葉カード作成時に、手術室看護師へのアンケートを実施した。その結果看護師が伝えたい言葉は、挨拶―9%、状態説明―20%、処置説明―71%であった。この集計結果から言葉カードをシナリオ形式に並べテンポよく説明できるようにした。<BR>  難聴者のアンケート結果から、言葉ファイルの理解度は10点―55%と半数以上が理解できたという結果が得られた。その結果から、言葉カードは難聴者に対して有効であったと考えられる。<BR> 今後さらに増加する難聴者に対する看護へ役立てたい。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205520678912
  • NII論文ID
    130006946538
  • DOI
    10.14879/nnigss.60.0.67.0
  • ISSN
    18801730
    18801749
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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