身体拘束に関する看護師の意識調査
Description
身体拘束は患者の安全保持と治療・看護上の必要性から行われる行為である。当院では,安心・安全な治療を受けていただくために,使用基準に沿って医師の指示のもと家族からの同意を得て行っている。しかしうしろめたさやジレンマ,罪悪感を抱きながらも仕事の効率や治療の都合上やむをえず身体拘束を行っているのではないかと考えられた。そこで身体拘束について看護師の意識調査を行い今後の課題について検討した。<BR>身体拘束の必要性については95%が必要と答えている。その理由は「患者の安全確保」「治療を確実に行う」「常時観察ができないため」であった。環境の変化や身体状況の悪化に伴いせん妄状態になったり,認知力低下の既往があるなど人的,物的環境の要因が重なった場合,身体拘束が必要となっていると考えられる。<BR>身体拘束にともなう安心感は51%であり,罪悪感は63%であった。その理由として,身体拘束が100%確実ではないこと,患者の負担が重く,皮膚の損傷や筋力の低下,転落等の事故を発生させるリスク(要因)にもなることをこれまでの経験として,認識されているからであるとも考えられる。身体拘束が必要と考える一方,身体拘束の弊害を意識しながら,ジレンマを感じながら行っていることがわかった。<BR>身体拘束を行うために必要なのは,使用基準に従うことだけではなく,個々の患者に対してなぜ身体拘束を行なわなければならない状況に陥っているのかをアセスメントし,何のために身体拘束を行うのかを明確にすることであると考える。またそのプロセスや理由(根拠)を明確にすることができれば,罪悪感は軽減されるのではないか。更にいったん身体拘束したら,そのまま継続するのではなく,点滴などを取り外しにくい位置の工夫や身体拘束を最小限にする判断も必要だと思われる。
Journal
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- Nihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu
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Nihon Nouson Igakukai Gakujyutu Soukai Syourokusyu 60 (0), 447-447, 2011
THE JAPANESE ASSOCIATION OF RURAL MEDICINE
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Keywords
Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205520763136
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- NII Article ID
- 130006946565
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- ISSN
- 18801730
- 18801749
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed