M-Wireを用いたNiTi製ファイルProFile Vortexの相変態挙動および曲げ特性

DOI オープンアクセス
  • 宮良 香菜
    東京医科歯科大学 (TMDU) 大学院医歯学総合研究科 医歯学系専攻 口腔機能再構築学講座 歯髄生物学分野
  • 八幡 祥生
    昭和大学歯学部歯科保存学講座歯内治療学部門 Department of Endodontics, West Virginia University School of Dentistry
  • 時田 大輔
    東京医科歯科大学 (TMDU) 大学院医歯学総合研究科 医歯学系専攻 口腔機能再構築学講座 歯髄生物学分野
  • 海老原 新
    東京医科歯科大学 (TMDU) 大学院医歯学総合研究科 医歯学系専攻 口腔機能再構築学講座 歯髄生物学分野
  • 塙 隆夫
    東京医科歯科大学 (TMDU) 生体材料工学研究所金属生体材料学分野
  • 興地 隆史
    東京医科歯科大学 (TMDU) 大学院医歯学総合研究科 医歯学系専攻 口腔機能再構築学講座 歯髄生物学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Phase Transformation Behavior and Bending Property of the Profile Vortex Nickel-titanium Endodontic Instrument

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説明

 目的 : NiTi製ファイルは, ステンレススチール製ファイルと比較して高い柔軟性を有しており, 湾曲根管において優れた根管追従性を示す. NiTi製ファイルでは製品ごとに独自の規格が採用されており, 刃部断面形態やテーパー, ピッチ, らせん角など, さまざまな特徴を付与した器具が数多く開発されている. 近年では, NiTi合金に熱処理を施し柔軟性や疲労特性を向上させた合金 (M-Wire) を用いたファイルも製品化されている. <br> ProFile Vortexは, M-Wireの採用に加えて刃部形態の改変も施されており, 先行製品であるProFileと比較して柔軟性および破折抵抗性の向上が謳われている. 本研究ではProFile Vortexの機械的特性を明らかにすることを目的とし, その相変態挙動を調べるとともに, 根管追従性にかかわる曲げ特性を評価した. <br> 材料と方法 : 本研究ではProFile Vortex (30号, 0.06テーパー), および対照として同サイズのProFile, FlexMasterを用いた. まず, 各製品に用いられているNiTi合金の相変態挙動を調べるために, 示差走査熱量分析により相変態点を求めた. 次に, 片持ち梁曲げ試験により, 弾性変形領域および超弾性変形領域にそれぞれ相当する0.5mmおよび2.0mmたわみ時における曲げ荷重を計測した. <br> 結果 : ProFile Vortexのマルテンサイト変態開始温度と逆変態終了温度は, ProFileとFlexMasterより有意に高く (p<0.05), ともに37°C以上であった. また, ProFile Vortexの曲げ荷重は, FlexMasterと比較して有意に小さい値であったが (p<0.05), ProFileとの間に有意差は認められなかった (p>0.05). <br> 結論 : ProFile Vortexは口腔内温度で良好な超弾性特性を示す相変態挙動を有するとともに, 良好な柔軟性を示したことから, 湾曲根管の形成に有用であることが示唆された.

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