糖代謝異常の死亡率、血管障害罹患率に及ぼす影響ー佐渡コホートから

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抄録

はじめに】佐渡島において生活習慣と動脈硬化性疾患の関係を明らかにし、その予防に役立てるために佐渡コホートを立ち上げた。現在8年目の追跡を行っている。今回は糖尿病が死亡率に及ぼす影響、および血管障害(脳卒中、心筋梗塞)の罹患率に及ぼす影響について検討したので報告する。 対象と方法】平成14年、15年に実施された住民検診の受診者ならびに当院の人間ドック受診者のうち本調査を理解し、これに同意した島民を登録した。登録時に身体計測、血圧・脈拍測定、心電図、血液、尿検査および質問紙を用いた食事、身体活動ならびに病歴調査を行った。登録後毎年、全死亡と脳卒中、心筋梗塞等の発症を追跡している。追跡は毎年佐渡市から住基情報および検診情報の提供を受け、その情報をもとにアンケート調査を行い、必要に応じたカルテ調査により行っている。本人の申告、空腹時血糖126mg/dl以上、随時血糖200mg/dl以上、HbA1c(JDS値)6.1_%_以上を糖尿病と定義した。平成20年8月1日までの疾患発症、平成23年2月28日までの死亡を登録し、5才毎の年代別に罹患率、死亡率を算出し、年齢調整後の死亡率、罹患率を求め、糖尿病の有無によって分けた2群(DM群、非DM群)間で比較した。 結果】対象は男性3511名、女性4911名、合計8422名、糖尿病は男性666名、女性510名だった。平成23年2月末までに623名が死亡し、154名の発症が観察された。非DM群の死亡率、罹患率を1とした時のDM群の死亡率、罹患率は男性1.26、1.66、女性1.69、1.01だった。 結語】一般住民を対象とした佐渡コホートにおいて、糖尿病は全死因による死亡率を上昇させ、男性の血管障害の罹患率を増加させた。

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  • CRID
    1390001205521466240
  • NII論文ID
    130006946878
  • DOI
    10.14879/nnigss.60.0.79.0
  • ISSN
    18801730
    18801749
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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