点滴自己抜去防止用具の検討

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説明

1 はじめに<BR>  脳血管障害患者の急性期治療として、持続点滴を必要とする患者が多く、認知症や失見当識のある患者は点滴を自己抜去してしまう。そのような場合、包帯を巻くか抑制をしてきた。抑制することで拘束感や圧迫感が増し、より不穏状態を引き起こすのではないか。そこで、抑制感がなく長時間の持続点滴ができる、観察のしやすいオリジナルの点滴自己抜去防止用具(以下防止用具)を作成し、使用したことで自己抜去が防止できたので報告する。<BR> 2 目的<BR>  考案した用具は点滴自己抜去に効果があるか検討する。<BR> 3 研究方法<BR>  2種類の防止用具(A・B)を作成し、各勤務2回、防止用具のズレ、はずれ、自己抜去の有無など5項目について観察。A、Bとも持続点滴をしている対象者に1週間使用。抑制が必要となった患者は中止とする。<BR> 4 結果及び考察<BR>  防止用具A:8人に使用し自己抜去3回あり。防止用具B:自己抜去なし。防止用具を使用することで刺入部やルートを隠すことができ、患者の意識をそらすことで自己抜去を防止できた。ミトンとは違い指先が自由に動かせるため、不穏状態になる患者はおらずストレスも最小限にできたと考える。手甲という農作業や手作業をするときに使用するものを装着することで、違和感や不信感がなく使用することができたのではないかと考える。しかし、サイズが固定されていたため、患者に合わせて選択できる用具を考慮する必要があった。<BR> 5 まとめ<BR>  自作の防止用具は抑制を最小限にし、自己抜去を防止することができた。<BR>  サイズや固定方法などの機能面では改良が必要である。<BR>  発赤などの皮膚トラブルは少なかった。<BR>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205522585600
  • NII論文ID
    130006947388
  • DOI
    10.14879/nnigss.60.0.347.0
  • ISSN
    18801730
    18801749
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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