フェネストレーションが原因で難治性根尖性歯周炎と診断された症例に対する処置

  • 古澤 成博
    東京歯科大学口腔健康臨床科学講座総合歯科学分野:埼玉県立大学保健医療福祉学部健康開発学科口腔保健科学専攻
  • 紺野 倫代
    東京歯科大学口腔健康臨床科学講座総合歯科学分野
  • 久留島 幸奈
    東京歯科大学口腔健康臨床科学講座総合歯科学分野
  • 柳田 博子
    東京歯科大学口腔健康臨床科学講座総合歯科学分野
  • 大田 恵
    東京歯科大学口腔健康臨床科学講座総合歯科学分野
  • 井田 篤
    東京歯科大学口腔健康臨床科学講座総合歯科学分野
  • 早川 裕記
    東京歯科大学口腔健康臨床科学講座総合歯科学分野
  • 細川 壮平
    東京歯科大学口腔健康臨床科学講座総合歯科学分野:埼玉県立大学保健医療福祉学部健康開発学科口腔保健科学専攻
  • 吉田 隆
    東京歯科大学口腔健康臨床科学講座総合歯科学分野:埼玉県立大学保健医療福祉学部健康開発学科口腔保健科学専攻
  • 有泉 祐吾
    静岡県立大学短期大学部歯科衛生学科
  • 河野 誠之
    東京歯科大学口腔健康臨床科学講座総合歯科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • The Treatment of Persistent Apical Periodontitis Caused by Apical Fenestration

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説明

日常臨床において,根管治療を行うも症状がなかなか消失せず,いわゆる難治性根尖性歯周炎と診断される症例にしばしば遭遇する.なかでも,根尖部の解剖学的要因,特にフェネストレーションによって惹起される難治性症例は,二次元的なエックス線画像からの診断が難しく,原因不明な難治性根尖性歯周疾患として扱われる場合が多い.今回,主に上顎前歯部に根尖部圧痛あるいは打診違和感を認め,難治性根尖性歯周炎と診断され処置を依頼された症例のなかから,フェネストレーションが原因であると考えられた症例について,歯根端切除術により良好な結果が得られたので,その概要を報告する.症例は,難治性根尖性歯周炎と診断され,東京歯科大学水道橋病院総合歯科に紹介された10症例である.これらに対して通法どおり歯根端切除術を施行し,術後の経過観察を行った.なお,根管充填については,大多数の症例は術中にガッタパーチャポイントおよび「ファイナペックAPC®」を用いて,根尖切除を行う直前に明視下に側方加圧根管充填を行い,逆根管充填は行わなかった.これらに対して術直後から最長4年間にわたって術後の経過観察を行った結果,10症例すべてにおいて根尖部圧痛などの不快症状の消失が認められた.本結果から,フェネストレーションが原因で症状が発現したと考えられる難治性根尖性歯周炎に対する処置として歯根端切除術の応用は,日常臨床における処置選択肢として有効であるものと思われた.

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参考文献 (14)*注記

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