当院回復期リハビリテーション病棟入院患者の転帰に関わる要因について

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抄録

【目的】 当院は平成17年6月に開院し、52床の回復期リハビリテーション病棟(以下リハビリテーションをリハと略す)を有する東京都下の「大都市近郊型」の300床の病院である。開院から8ヶ月を経過し、対象患者の自宅復帰を目指し回復期リハに携わってきた。今回、我々は転帰を自宅復帰と病院・施設など自宅以外への退院に分け、転帰に影響を及ぼす要因について検討したので報告する。<BR>【方法】 対象は平成17年6月1日から同年12月31日の7ヶ月間に、当院回復期リハ病棟を退院した67名のうちの、主疾患を脳血管障害(以下CVAと略す)とする患者50名(男性34名、女性16名、平均年齢68.2(±10.6)歳)とした。そして、対象を自宅復帰した群(以下自宅群と略す 、32名)、自宅以外へ退院した群(以下非自宅群と略す、18名)の2群に分類して、発症から入院までの期間・入院期間・年齢・入院時と退院時のFIM等について調査し、比較検討をした。<BR>【結果】 発症から入院までの期間は自宅群40.3(±23.5)日、非自宅群79.7(±23.8)日、入院期間は自宅群78.0(±42.4)日、非自宅群117.3(±42.4)日で、いずれも有意差がみられた。また、年齢は自宅群65.2歳(±11.2)歳、非自宅群73.6歳(±6.6)歳、性差でも男性比率が自宅群では81%、非自宅群では44%で差がみられた。入院時のFIM総合計点は、自宅群91.0(±21.9)点、非自宅群48.6(±23.1)点、退院時は自宅群108.9(±15.0)点、非自宅群61.4(±33.9)点で、いずれも有意差がみられた。同様に入院時および退院時のFIM動作項目総合計点数とFIM認知項目総合計点数に関しても、それぞれ自宅群と非自宅群の間に有意差がみられた。さらに、入院時および退院時のFIM18項目全てにおいて、2群間に有意差がみられた。<BR>【まとめ】 当院回復期リハ病棟のCVAを主疾患とする退院患者50名を対象として、自宅群と非自宅群をFIMを中心に比較検討した。FIMについては、入院時と退院時いずれも総合計点数その他で2群間において大きな差がみられた。今後はFIM 18項目毎の分析もさらに深め、また、家族状況や住居環境など、社会的側面に関する事項についても研究を進めていく。<BR>

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  • CRID
    1390001205523415680
  • NII論文ID
    130006947868
  • DOI
    10.14901/ptkanbloc.25.0.87.0
  • ISSN
    2187123X
    09169946
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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