新規ヒストプラズマ抗原の探索

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  • Search for novel antigens of <I>Histoplasma capsulatum</I> for the serodiagnosis

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説明

ヒストプラズマ症は輸入真菌症の一つとして知られている。近年、流行地との往来増加などにより、わが国での報告例が増加しており、国内感染例を含めて今後も更なる増加が予測されている。このような背景からヒストプラズマ症の診断・治療も一層重要性を帯びてくると考えられ、更なる知見の積み重ねが求められている。現在、迅速診断の一つとして、ヒストプラズマH抗原及びM抗原特異抗体検出による血清診断が行われている。しかし、厚生労働省研究班は現在市販されている診断試薬では国内の症例に対して十分な感度が得られなかったことを報告している。我々は血清診断法改良のための基礎的解析として、新規ヒストプラズマ抗原の探索を行っている。菌体タンパク質の抽出は酵母形としたH. capsulatum CDC105株を純水中で懸濁・洗浄後に0.1% Triton X-100中で激しく攪拌することにより行った。得られたタンパク質混合物を二次元電気泳動により分離を行い、真菌医学研究センターにて保存されているヒト患者血清を用いて抗原タンパク質の検出を行い、患者血清中抗体と反応する9つのタンパク質を見出すことが出来た。これらのタンパク質を同時に電気泳動分離を行ったゲルより切り出し、TOF-MS/MSにより分析を行った。解析を行った結果から、9種類のタンパク質が推定された。現在、これらタンパク質について一次構造を確認中であり、これも含めて報告を行う予定である。

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