リウマチ性疾患における血清IgG4値の検討

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抄録

【目的】IgG4関連疾患(IgG4-RD)は、高IgG4血症と臓器中の著明なIgG4陽性形質細胞浸潤を特徴とする疾患である。しかし近年、他の疾患でもIgG4高値を呈することが判明した。従来、自己免疫性膵炎(AIP)に関して、胆膵疾患を対照にした調査はされているが、リウマチ性疾患を対照にしたデータはない。そこで今回、リウマチ性疾患や他疾患での血清IgG4値を改めて検討し、リウマチ医にとってIgG4-RDの診断のための最適なカットオフ値を求めた。 【方法】当科を受診した418名(内、IgG4-RD102名、多中心性キャッスルマン病(MCD)は、和歌山県立医科大学よりデータ提供)を対象に、血清IgG4値を測定し、各疾患の平均値および高IgG4血症を呈した症例の頻度を解析した。IgG4-RDの診断はミクリッツ病、AIP診断基準に従った。対照をリウマチ性疾患とした場合の、IgG4-RDの診断のための最適なカットオフ値をROC曲線から解析した。 【結果】IgG4高値は、IgG4-RD以外に、血管炎、MCD、好酸球性疾患、一部の関節リウマチ、強皮症で認められた。最適なカットオフ値は144mg/dLで、その際の感度は95.1%、特異度は90.8%であった。 【結論】IgG4-RD以外でも高IgG4血症が確認された。血清IgG4高値はIgG4-RDの確定診断ではなく、補助診断として使用すべきである。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205523829632
  • NII論文ID
    130006948096
  • DOI
    10.14906/jscisho.39.0.145.0
  • ISSN
    18803296
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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