自己免疫疾患におけるMAIT細胞

DOI
  • 三宅 幸子
    国立精神・神経医療研究センター神経研究所l免疫研究部

抄録

自然リンパ球は、皮膚や腸管、呼吸器系など外来侵入物と接触する部位に多く存在し、外来侵入物にたいする免疫応答の最前線に位置する。自己免疫疾患の発症要因として以前から環境因子があげられているが、近年、腸管細菌叢が自己免疫疾患の発症や病態に深くかかわっていることが明らかとなり、自然リンパ球の関与にも注目が高まっている。Mucosal-associated invariant T (MAIT)細胞は腸管粘固有層やパイエル板に多く存在するためその名が冠せられた自然リンパ球である。MAIT細胞はMajor histocompatibility molecule related 1 (MR1)に拘束され、T細胞受容体にインバリアントVα19(マウス)、Vα7.2(ヒト)を発現する。他のT細胞と同様に胸腺で選択をうけるが、MAIT細胞の成熟および増殖にはB細胞や腸管細菌叢に依存する。MAIT細胞はIFN-γやIL-17を産生する能力を有し、細菌感染防御に寄与することが最近明らかとなった。本シンポジウムでは、動物モデルを用いたMAIT細胞の自己免疫病態における機能解析について、さらに多発性硬化症、視神経脊髄炎、関節リウマチ、全身性エリテマドーテスなどの自己免疫疾患におけるMAIT細胞の動態と機能について報告する。

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  • CRID
    1390001205523870592
  • NII論文ID
    130006948142
  • DOI
    10.14906/jscisho.39.0.13.0
  • ISSN
    18803296
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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