当院膠原病患者におけるサイトメガロウイルス抗原血症の検討

説明

[目的]サイトメガロウイルス(CMV)感染症は、免疫抑制状態で再活性化する日和見感染症であり、免疫抑制治療を要する膠原病患者において重要な合併症である。今回我々は、当科におけるCMV抗原血症陽性患者を検討し、積極的検索の必要性について考察した。[方法]対象は平成16年1月から19年4月までに入院した168例中、CMV抗原血症陽性となった14例。CMV抗原血症の検出はC7-HRP法を用いた。[結果]原疾患及び治療によるリンパ球数低下や、IgGの低下を認める症例が多かった。発熱やリンパ節腫脹、異型リンパ球の出現等は多くの症例で認められなかった。肝機能異常は軽微であったり、筋炎の合併や多臓器不全のため入院時より異常を認めていた症例が多かった。10万を切らない程度の徐々に低下する血小板減少を認める症例が多く、CMV抗原血症を想定する指標となりえた。[考察]CMV感染症に特徴とされる症状や検査所見の多くは、CMV抗原血症を想定しうる材料になりにくい可能性がある。軽度の血小板減少はCMV抗原血症を想定しうるが、鑑別すべき病態・疾患も多く、特異的とは言い難い。文献的には高容量のステロイド投与例のCMV抗原血症合併頻度は非常に高く、病態によらず積極的な検索が原疾患の悪化や致死的病態へ移行させないために必要と考えられる。[結語]当院膠原病患者におけるCMV抗原血症患者を検討した。免疫抑制治療中は積極的なCMVの検索が必要である。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205524497792
  • NII論文ID
    130006948591
  • DOI
    10.14906/jscisho.35.0.124.0
  • ISSN
    18803296
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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