”CIAS1遺伝子変異陰性”CINCA症候群における潜在性CIAS1遺伝子モザイシズムについて

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周期性発熱を臨床的な特徴とする一連の遺伝性疾患群が自己炎症症候群として近年注目されてきている。自己免疫疾患が自己抗体、自己反応性T細胞が病態の中心であるのに対して、自己炎症症候群は自然免疫系に関する遺伝子群の異常症である。発熱、発疹、関節症状を伴う事が多く、臨床的にはリウマチ疾患との鑑別において重要な疾患群である。CINCA症候群は自己炎症症候群の1つであり、生下時より見られる蕁麻疹様発疹、関節炎、無菌性髄膜炎、感音性難聴などの中枢神経症状を3主徴とする。原因遺伝子としてこれまでCIAS1遺伝子が同定されており、同変異によるCIAS1インフラマソームの活性化、それに伴う無秩序なIL-1β産生がCINCA症候群の病態と考えられている。一方、臨床的には比較的均一な疾患であったが、約40_%_の症例においてCIAS1変異が見つからない事が知られ、他の遺伝子変異の関与が推測されていた。  我々は2005年にCIAS1遺伝子体細胞モザイシズム変異により発症したCINCA症候群1症例を報告した。同症例を契機として、CIAS1遺伝子変異陰性症例においてCIAS1遺伝子モザイシズムが見逃されているのではないかという仮説をたて、本邦同症例を検討した。その際疾患特異的な生物学的な性状として、”pyronecrosis”と呼ばれているLPS刺激でCIAS1変異単球に細胞死が誘導される現象を利用した。結果として、通常の遺伝子解析ではCIAS1変異が同定できなかった本邦4例中3例にCIAS1遺伝子モザイシズムが同定され、体細胞モザイシズムがCINCA症候群の発症に大きく関与している事が証明された。本公演では”bench” と ”bedside”の密接な連携の中で発見された潜在性CIAS1遺伝子モザイシズムについて述べるとともに、変異CIAS1遺伝子の病態形成における分子基盤についても概説したい。

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  • CRID
    1390001205524872960
  • NII論文ID
    130006949078
  • DOI
    10.14906/jscisho.36.0.18.0
  • ISSN
    18803296
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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