若年性特発性関節炎(JIA)に対する適応とその効果
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- 武井 修治
- 鹿児島大学医学部保健学科 鹿児島大学病院小児診療センター
説明
JIAは16歳未満で発症した慢性関節炎であり、methotrexate(MTX)を中心とした従来の治療では、約1/4の症例が重篤な関節機能障害と著しい成長障害に陥っていた。しかしTNF阻害薬の登場は、これら難治性JIAの予後を成人RA以上に大きく変えようとしている。 Etanercept 0.4mg/kg/週2回をMTX不応の難治性JIA に投与した米国での検討では、臨床的寛解(70%改善)を達成した患児は投与4か月で36%、2年で67%に達し、本邦での治験でも68%と報告されている。また1年以上継続した報告での副作用中止率も0~6%と低い。一方のInfliximabはJIAに対する臨床治験が米国で終了し、認可をまつ状況である。本邦ではinfliximabが先行して成人RAで認可されたため、当科ではteenagerを中心としたJIAに使用したが、etanercept同様の高い有効性を確認した。 小児におけるTNF阻害薬の有用性は、臨床症状の改善以上に、発育過程にある患児の関節破壊を抑止し、身体的成長を確保しうる点にある。当科での検討では罹患関節の骨びらんの修復や関節裂隙の再生が観察され、手根骨長で評価した関節破壊の進行は、TNF阻害薬の導入により停止した。更に炎症病態の抑制やステロイド減量効果が、患児の成長を促進していた。 シンポジウムでは、TNF阻害薬が示す小児での有用性を報告し、JIAへの適応について提言する。
収録刊行物
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- 日本臨床免疫学会総会抄録集
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日本臨床免疫学会総会抄録集 34 (0), 131-131, 2006
日本臨床免疫学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205524935040
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- NII論文ID
- 130006949144
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- ISSN
- 18803296
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可