抗CCP抗体subclassによる関節リウマチ患者の病態分類の試み

Description

関節リウマチの患者において抗シトルリン化ペプチド抗体(抗CCP抗体)が血清中および滑液中に、高感度、高特異度をもって検出される。日本人においてアルギニンのシトルリン化をつかさどるPADI4という酵素がリウマチ感受性遺伝子のひとつとして同定されたことは、抗CCP抗体は単なる疾患マーカーというだけではなく、病態への関与も示唆される。そこで、検出される抗CCP抗体のIgG subclassによって多種多様だといわれる関節リウマチの病態の分類を試みた。抗CCP抗体50U/ml以上のRA患者80名のIgG1,2,3,4タイプ抗CCP抗体価をELISAにて測定した。IgG1、IgG2抗体価はおおむね、total IgG抗CCP抗体価と相関するが、IgG3,IgG4抗体価はtotal IgGと相関がなく、どちらかのsubclass優位に抗体価が高い群が存在する。また、IgG3値 vs IgG4値でみると、IgG3単独、IgG4単独、両subclassとも高い、両subclassとも低いの4つのグループにきれいにわかれる。これらのグループと病態、病型との関連は現在調査中であるが、IgG3はTh1型、IgG4はTh2型といわれているため、関節リウマチの病型分類に有用である可能性がある。

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390001205525127680
  • NII Article ID
    130006949435
  • DOI
    10.14906/jscisho.33.0.80.0
  • ISSN
    18803296
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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