インターフェロンγアッセイを用いたインフリキシマブ投与中の関節リウマチ患者における潜在性結核感染のモニタリング

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抄録

【目的】関節リウマチ(RA)の治療にTNFα阻害薬が導入され,結核感染症(TBI)の増加が懸念されている.このTBI 診断に汎用されるツベルクリン反応は偽陽性・偽陰性が少なくなく,近年潜在性結核感染症(LTBI)の診断法として結核菌特異抗原を刺激としてリンパ球が産生するインターフェロンγを測定する診断法(クォンティフェロンTB Gold,以下QFT)が注目されている.しかしインフリキシマブ(IFX)投与やイソニアジド(INH )併用による同法の反応性の変化については報告がない.そこでIFX使用中のRA患者に経時的に同法を行い,LTBIのモニタリングを試みたので報告する.【対象・方法】当科にてIFXを投与中のRA患者14例.ESAT-6/CFP-10に対するQFT(カットオフ値0.35 IU以下)を経時的に施行した.【結果】1)IFXの投与後QFTの経時的な測定を開始した9例中,1例が初回で陽性,残り8例は陰性を維持した.2)IFX投与前にQFTを施行した5例中2例が陽性,うち1例はIFX投与を中止しINHの継続投与でQFTの陰性化をみた.残り3例中IFX開始後1例に一過性の陽性化をみた.3)QFT陽性3例中2例はINH併用下でIFXの投与を行い,1例でQFTの陰性化をみた.【考察】INH投与後QFTの比較的速やかな陰性化をみることや,TBIの既往とQFT の結果の不一致例の存在から,IFX投与中のQFTの解釈にはさらなる検討が必要である.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205525129216
  • NII論文ID
    130006949437
  • DOI
    10.14906/jscisho.33.0.82.0
  • ISSN
    18803296
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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