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長期臥床による廃用性筋萎縮を来たした患者に対する歩行アプローチの一例
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- 佐々木 英輔
- みさと健和病院リハビリテーション課
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【はじめに】体重免荷トレッドミル歩行練習(以下BWSTT)は脊髄損傷患者や脳血管疾患患者等において有効性が報告されている.今回頭部外傷により長期臥床を強いられた患者に対して体重免荷式歩行訓練装置(製品名:らっくん,製造元:株式会社ペアサポート)を使用した.本症例においてトレッドミルは使用していないが,BWSTTに類似する効果があると思われた.以下に報告する.<BR>【症例】35歳,男性.平成19年5月23日交通事故により頭部外傷受傷.7月10日(受傷後48病日),リハビリテーション目的にて当院へ転院.当院転院時,意識障害が重度で,ADLはFIMで18点で全介助の状態であった.8月後半より徐々に意識障害が改善し始め,体動も増えてきた.しかし約3ヶ月の間ほぼ寝たきりの状態であったため,四肢体幹の筋力低下が著しい状態であった.<BR>【治療経過】7月下旬からリフトを使用しコンフォート型の車椅子への移乗を開始.9月下旬から普通型車椅子への移乗を開始.このころより上肢での活動が出現してきた(食事動作等).理学療法としてはティルトテーブルを使った起立練習や起居動作練習等を行なっていた.下肢の活動も徐々に向上し,車椅子を両下肢で駆動する等が可能となった.しかし四肢の筋力低下に加え体幹の筋力低下も著しかったため重力に抗した動作が困難であり,起居動作は介助を要し,端座位も見守りが必要な状態であった.10月の時点で介助での立位が何とか可能となったものの体幹を過伸展させ,依然として体幹の筋活動が乏しい状態であった.一般的に頭部外傷では運動障害が軽度であることが多いとされている.本症例においても四肢の随意性が良好であったため,廃用性筋萎縮が動作を阻害している主体であると考え,長期的には歩行の獲得も可能と思われた.そこで11月9日より体重免荷式歩行訓練装置を使用した歩行練習を開始した.はじめは免荷量を30kg(体重60kg)に設定し徐々に免荷量を減らし,歩行距離を伸ばしていった.1月21日の時点で免荷量0kgで100mほど連続で歩行可能となり体重免荷式歩行訓練装置の使用を終了とした.2月17日の時点で前輪付の歩行器を使用し病棟での歩行を行なっている.短距離であれば支持物を使わない歩行も可能である.ADLはFIMで82点となっており,高次脳機能障害が残存しているので認知項目の点数は低めだが運動項目の点数には大幅な向上が見られた.<BR>【考察】本症例において体重免荷式歩行訓練装置の使用前後で,歩行能力,ADLに改善がみられた.今回の結果より体幹機能が著名に低下している患者に対して体重免荷式歩行訓練装置を使用することは歩行能力の向上に有効であるという可能性があることが示唆された.
Journal
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- 関東甲信越ブロック理学療法士学会
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関東甲信越ブロック理学療法士学会 27 (0), 9-9, 2008
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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Keywords
Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205525421824
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- NII Article ID
- 130006949721
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- ISSN
- 2187123X
- 09169946
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed