Primary Immunodeficiency Database in Japan(PIDJ)プロジェクト開始以来当科へ紹介された原発性免疫不全症(PID)112例に関する検討

  • 中川 紀子
    防衛医科大学校小児科
  • 今井 耕輔
    防衛医科大学校小児科
  • 大嶋 宏一
    理化学研究所横浜研究所免疫・アレルギー科学総合研究センター免疫ゲノミクス研究グループ
  • 小原 收
    理化学研究所横浜研究所免疫・アレルギー科学総合研究センター免疫ゲノミクス研究グループ かずさDNA研究所ヒトゲノム研究部
  • 野々山 恵章
    防衛医科大学校小児科

説明

平成20年1月より、厚労省研究班会議、理化学研究所、かずさDNA研究所の共同研究として、PIDJ プロジェクトが始まった( http://pidj.rcai.riken.jp)。当科は相談窓口の一つであり、開始から1年半で112例(国内66例、国外48例)の紹介を受けた(平均6.3例/月)。うち複合型免疫不全症18例、抗体不全65例、その他明確に定義された免疫不全症10例、免疫制御異常症2例、食細胞異常症8例、自然免疫不全1例、その他10例だった。15歳以上の症例は30例(27%)で、うち23例が抗体不全であった。<BR>  当科にて4カラー25種類の抗体によるFACS 90例、T細胞の新生能の解析111例、刺激試験10例(クラススイッチ 5例、CD40L発現7例)を行った。また47例で原因遺伝子検索を行い、16例(JAK3 1例、CD40L 4例、AICDA 3例、WASP 3例、BTK 4例、ATM 1例)で遺伝子変異を同定した。うち15歳以上の抗体不全患者23例中4例(AICDA 3例、BTK 1例) で遺伝子変異を同定した。<BR>  成人のなかにも診断されていない免疫不全症患者、とくにCVIDに分類されている患者が多くいることが示唆された。適切に診断・治療するためにPIDJプロジェクトの枠組みが有用であることが示唆された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205525457024
  • NII論文ID
    130006949758
  • DOI
    10.14906/jscisho.37.0.50.0
  • ISSN
    18803296
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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