関節リウマチに対するトシリズマブ療法におけるコンパクトMRI所見の検討

  • 堀越 正信
    筑波大学大学院人間総合科学疾患制御医学専攻臨床免疫学
  • 後藤 瑞恵
    日本海総合病院 内科
  • 杉原 誠人
    筑波大学大学院人間総合科学疾患制御医学専攻臨床免疫学
  • 鈴木 豪
    筑波大学大学院人間総合科学疾患制御医学専攻臨床免疫学
  • 林 太智
    筑波大学大学院人間総合科学疾患制御医学専攻臨床免疫学
  • 後藤 大輔
    筑波大学大学院人間総合科学疾患制御医学専攻臨床免疫学
  • 松本 功
    筑波大学大学院人間総合科学疾患制御医学専攻臨床免疫学
  • 伊藤 聡
    筑波大学大学院人間総合科学疾患制御医学専攻臨床免疫学
  • 岡本 嘉一
    筑波大学附属病院 放射線科
  • 住田 孝之
    筑波大学大学院人間総合科学疾患制御医学専攻臨床免疫学

説明

目的:MRIは関節リウマチ(RA)の診断のみならず、予後の予測や治療効果の判定においても近年その役割が注目されてきている画像診断上重要なツールである。当大学で開発された手専用低磁場MRI(コンパクトMRI)は小型・低コスト及びRA患者にとって負担の少ない座位での撮像が可能であるという利点を備えている。2008年4月にトシリズマブがRAの治療において保険適応となり、TNF阻害療法に抵抗性の症例を中心にその効果が示されている。我々はRAにおけるトシリズマブ治療の臨床所見・MRI所見に与える影響を調べることを目的とした。 患者と方法:2008年7月以降当院で新たにトシリズマブを開始したRA患者5例においてその臨床経過とMRI所見を検討した。臨床的効果はDAS28-ESRを用いて評価した。MRIは原則8週毎に撮像を行った。MRI所見は当大学でOMERACT-RAMRISを基に独自に考案したコンパクトMRIスコア(cMRIS)(Suzuki. T, et al. Modern Rheumatology 2009 in press)を用いて評価した。トシリズマブ投与前後でDAS28-ESRとcMRISの変化をΔDAS28及びΔcMRISとして算出し、両者の相関を検討した。 結果:1)臨床的指標であるDAS28-ESRは全例で有意に低下した。2)トシリズマブ開始24週後には全例でEULARの中等度以上の改善を得た。3)cMRISは全例で低下した。4)ΔDAS28とΔcMRISの間に有為な相関はみられなかった。5)一部の症例では経過中に滑膜炎のみならず骨髄浮腫、骨びらんの改善も認められた。 考察:トシリズマブによりMRI所見上の改善も認めらることが示された。臨床所見との統計学的に有意な相関は認められなかったが、今後症例を増やしさらなる検討を行う。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205525772032
  • NII論文ID
    130006950043
  • DOI
    10.14906/jscisho.37.0.137.0
  • ISSN
    18803296
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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