ウリナスタチン大量間歇投与による難治性間質性肺炎の制御

説明

膠原病に伴う間質性肺炎(IP)では従来の強力な免疫抑制療法にても進行、再燃を反復し、かつ治療合併症から治療困難な症例を経験する。<BR>生体由来プロテアーゼ阻害剤、Human urinary tripsin inhibitor製剤であるウリナスタチン(UTI)は抗炎症作用・臓器保護作用が報告され、IPの病態制御効果が期待される。<BR>治療抵抗性または免疫抑制療法が継続困難な活動性IP 5例(MCTD 1例, SSc 2例, MPA, DM各1例)にUTI大量投与(90万単位/回、内頸静脈経由)を行った。4例の臨床所見・CT所見が明らかに改善し、全例でPaO2、KL-6が改善、酸素投与量・ステロイド薬の減量ができ、UTIによる副作用は認めなかった。IP症例は健常人より有意な動脈血中TGF-β1、MCP-1の上昇を認め、UTI投与後、UTI動脈血中濃度の十分な上昇が得られるとともにTGF-β1、MCP-1の低下を認めた。<BR>UTI大量間歇投与は、骨髄抑制や感染症誘発のリスクが少なく、また、サイトカイン等の産生抑制を介しIPの病態を制御し得る事から、既存の強力な免疫抑制療法が施行困難な膠原病に伴う難治性IPに対して有用である。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205525804800
  • NII論文ID
    130006950080
  • DOI
    10.14906/jscisho.36.0.93.0
  • ISSN
    18803296
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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