内耳神経炎を呈した再発性多発軟骨炎の1例

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抄録

62歳女性、主婦。2008年6月に左眼痛を認め、近医眼科にて眼窩蜂窩織炎と診断され、入院となった。精査中、鼻根部腫脹および喉頭浮腫が出現し、同院耳鼻科を受診したが確定診断には至らず、対症的にステロイドが投与され軽快した。2008年9月に右聴力低下、同年11月に左聴力低下が出現し、前医耳鼻科を受診した。原因は不明であるが、感音性難聴と診断され、ステロイドを短期間投与されるも、改善は認められなかった。同年12月に発熱、頭痛および幻暈を認めたため、前医内科を受診した。炎症反応は高値を示し、同時期より左耳介の発赤が出現した。2009年1月に、耳介生検が施行された。再発性多発軟骨炎と診断され、2009年1月に当院耳鼻科に転院となった。その際、治療方針決定のため、当科を受診したが、当科初診時には左耳介の発赤は消失していたため、特異的治療は行なわず、2月に退院となった。2009年4月に、発熱、右耳介の発赤、腫脹および疼痛が出現したため当科受診、精査加療目的に入院となった。頭部MRIで両側の内耳神経、前庭、蝸牛に炎症所見を認めた。入院後より、プレドニゾロン50mg/日より開始し、解熱、耳介の炎症も改善を認めた。再発性多発軟骨炎において前庭および蝸牛症状を呈することは散見されるが、内耳神経炎が画像的に確認されるのは非常に稀であるため、考察を加え、報告する。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205525825152
  • NII論文ID
    130006950113
  • DOI
    10.14906/jscisho.37.0.108.0
  • ISSN
    18803296
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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