国際生活機能分類による脳血管障害理学療法に関する調査

DOI
  • 松田 智行
    茨城県立医療大学保健医療学部理学療法学科 筑波大学大学院教育研究科
  • 長山 七七代
    訪問看護ステーションおりおん 筑波大学大学院教育研究科
  • 佐藤 裕子
    日本工学院専門学校 筑波大学大学院教育研究科
  • 川間 健之介
    筑波大学大学院人間総合科学研究科

抄録

【目的】 わが国の理学療法士は、2001年の国際生活機能分類(以下、ICF: International Classification of Functioning, Disability and Health)の障害分類導入以降、対象者の生活機能および環境因子を包括的に捉え、対応することが必要であるとされている。そこで、ICFを用いて、理学療法士が認識する理学療法に関して質問紙調査を行い、脳血管障害理学療法の実態について明らかにする。 【方法】 本調査は、理学療法士が、脳血管障害者に対して設定する理学療法を把握するため、ICFの「心身機能と身体構造」のうち65項目、「環境因子」のうち39項目採用した。回答は、質問項目が、脳血管障害者に対する理学療法にどの程度関与するのかを尋ねるため、「関与する」から「関与しない」の5件法とした。 対象は、医療施設、介護老人保健施設、訪問看護ステーションに従事する理学療法士1389名(530施設)とした。自記式質問用紙を郵送し、説明と同意を得た上で調査を行なった。主な調査項目は、現在の提供リハビリテーションサービス、理学療法に関する質問である。なお、本調査は、筑波大学大学院人間総合科学研究科研究倫理委員会の承認を得て、2008年9月から11月まで行った。 因子分析は、統計ソフトSPSS for Win ver16.0 を使用し、主因子法、バリマックス回転を行った。 【結果】 450名(32.4%)から回答があり、うち415名を有効回答数とした。リハビリテーションサービスは、急性期103名、回復期75名、施設における維持期70名、在宅における維持期56名、その他98名であった。 因子分析の結果、脳血管障害者に対する理学療法の規定因子は、「心身機能と身体構造」に関して、「精神機能および感覚機能」、「身体構造」、「神経筋骨格および運動に関する機能」、「留置用医療用具に関する心身機能」の4因子が抽出された。また、「環境因子」に関して、「社会サービス制度および建築物」、「家族および関係する専門職」、「親族および友人・知人」、「福祉用具および移動補助具」の4因子が抽出された。 【考察・まとめ】 脳血管障害理学療法は、ICFの障害分類より、脳血管障害者の生活機能および環境因子が関与することが示唆された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205528859776
  • NII論文ID
    130006950971
  • DOI
    10.14901/ptkanbloc.28.0.86.0
  • ISSN
    2187123X
    09169946
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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