ヒト肝細胞キメラマウス由来新鮮肝細胞"PXB-cells<sup>®</sup>"を用いたアフラトキシンB1肝毒性の検出
書誌事項
- タイトル別名
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- Detection of Aflatoxin B1 hepatotoxicity using PXB-Cells<SUP>®</SUP>
説明
新鮮ヒト肝細胞は、DMPKや安全性の様々な分野において、機能的に有用なツールと考えられているが、品質の良い肝細胞を安定的に入手する事は困難である。我々はこれまでに、免疫不全肝障害 (cDNA-uPA/SCID) マウスをホストとして作製したヒト肝細胞キメラマウス (PXBマウス®) から、効率良く新鮮ヒト肝細胞 (PXB-cells®) を分離する方法を確立している。このPXB-cellsは in vitro において、プレートへの高い接着性を示すとともに、数種のヒト薬物代謝酵素やトランスポーター発現および機能を長期間維持していることから、有用なヒト肝細胞ソースとなり得ることが期待されている。<br>今回、我々は、毒性評価試験への応用を目的とし、カビ毒の1種でCYPによる代謝産物がヒト肝細胞に毒性を示すことが知られているアフラトキシンB1 (AFB1) のPXB-cellsに対する毒性について評価した。プレートに播種したPXB-cellsに対し、0.014~10 µM (5倍公比) のAFB1を暴露し、WST1アッセイにより肝毒性を評価した。また、リアルタイム細胞アナライザー (RTCA iCELLigence) システムを用いて、AFB1暴露時における細胞の生存状態をモニタリングすることにより肝毒性評価を行った。その結果、いずれの評価方法においても、AFB1暴露濃度依存的な細胞毒性が検出された。<br>さらに、AFB1とCYP阻害剤を併用した場合のPXB-cellsに対する毒性をiCELLigenceにより評価した。その結果、CYP阻害剤処理によりPXB-cellsにおけるCYP3A活性の低下が確認されるとともに、AFB1暴露時の毒性も軽減された。以上の結果から、PXB-cellsを用いた上記検出方法は、化合物とその代謝産物の肝毒性を評価する上で、有用な試験系となり得ることが示唆された。
収録刊行物
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- 日本毒性学会学術年会
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日本毒性学会学術年会 43.1 (0), P-256-, 2016
日本毒性学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205544818048
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- NII論文ID
- 130005260794
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可