高隈山花崗岩中の「菫青石斑点」の鉱物学的特徴

書誌事項

タイトル別名
  • Mineralogy of "cordierite cluster"in the Takakumayama granite, Kagoshima, Japan

説明

粉末X線回折実験の結果、「菫青石斑点」を構成する主な鉱物は石英、カリ長石、斜長石、ザクロ石、菫青石、黒雲母、白雲母、クリノクロアであった。同一試料の実体鏡写真、偏光顕微鏡写真、元素組成マップ像およびBSE像を比較したところ、斑点の緑色部は菫青石ではなく、数∼数十ミクロン程度のクリノクロアに対応していることが判明した。またEPMAによる定量分析の結果、菫青石の化学組成はマグネシウムに乏しく鉄とマンガンに富むことが明らかになった。鉄に富む菫青石はその産出が稀でありペグマタイトに関連して限定的に産出する傾向がある。以上のことから、猿ヶ城型花崗岩質岩中の「菫青石斑点」は、高隈山花崗岩が冷却される過程で、岩株外縁部における揮発性成分の分布が空間的に不均一であることに起因し、変質作用を経てアプライト質アダメロ岩へ固定され形成されたと考えられる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205545366016
  • NII論文ID
    130005008337
  • DOI
    10.14824/jakoka.2008.0.90.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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