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- Yamada Yuichiro
- Department of Diabetes and Clinical Nutrition, Kyoto University Graduate School of Medicine
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Description
インクレチンとは<br> (1)消化管で産生され、(2)食事摂取に伴い分泌され、(3)膵β細胞に作用しインスリン分泌を促進する因子である。小腸上部に存在するK細胞から分泌されるGIP(gastric inhibitory polypeptide)と主として小腸下部のL細胞から分泌されるGLP-1 (glucagons-like peptide-1)がこの作用を有している。<br><br>どういう生理的な役割を有しているか。<br> グルコースを投与して血糖を同程度に上昇させても、経静脈から投与するより経口で投与したほうが、はるかに高いインスリン分泌が得られる。経口と経静脈によるインスリン分泌量の差は、消化管から分泌され膵β細胞に作用する「インクレチン」によるものである。インクレチンは、膵β細胞に存在する受容体(GIP受容体あるいはGLP-1受容体)を刺激し、インスリン分泌を促進する。<br><br>GIP受容体欠損マウスの解析からわかったこと<br> GIP受容体欠損マウスに経口糖負荷試験(OGTT)を行うと、負荷後早期において血糖の上昇とインスリン分泌の低下を認めた。したがって、この野生型とGIP受容体欠損マウスのインスリン分泌の違いがGIPによるインスリン分泌であり、GIPの欠如が血糖上昇を引き起こす。<br> また、GIPは脂肪細胞にも作用し、脂肪細胞への栄養素の蓄積を促進する。すなわち、GIPが過剰栄養による肥満の引き金であり、GIPのシグナルを抑制することは脂肪細胞の肥大化を抑制する。<br>GLP-1受容体欠損マウスの解析からわかったこと<br> GLP-1受容体欠損マウスにOGTTを行うと、空腹時ならびに負荷後の血糖の上昇を認めた。また、膵β細胞の数が減少し、GLP-1はインスリン分泌だけではなく膵β細胞の分化増殖にも重要であることがわかった。<br><br>治療への戦略<br> GIPやGLP-1はペプチドホルモンであり、血中では酵素(DPPIV)によって分解され、半減期が短い。したがって、ペプチドを修飾して半減期を長くした誘導体、あるいはDPPIVそのものを阻害する薬物が必要である。これらの薬物は、従来とは全く異なる機構でインスリン分泌を促進するため、臨床応用に向けた開発が進められている。<br>
Journal
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- Advances in Diabetology
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Advances in Diabetology 39 (0), 106-106, 2005
THE JAPAN DIABETES SOCIETY
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205546209024
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- NII Article ID
- 130006952897
- 40006578576
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- NII Book ID
- AN10399708
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- ISSN
- 09186557
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- NDL BIB ID
- 7201146
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- NDL Search
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed