アワビ真珠層の構造と成長機構について

書誌事項

タイトル別名
  • The structure and growth mechanism of nacre in abalone shell

説明

真珠層はその間に有機膜を挟んだアラゴナイトの板状結晶が積み重なった構造を持ち,また巻貝ではその成長部においてピラミッド状の積層形態をとる.本研究ではアワビの真珠層成長部の構造を詳細に調べ,その成長機構について考察した. SEMによる観察で板状アラゴナイトは一方向に伸長した偽六角形の形態をもち,さらにEBSD等によりその側面は(010)と{110}で構成され,伸長方向はa軸であることがわかった.FIB法でひとつの板状結晶を取り出し,電子回折等により双晶が存在しないことが確かめられた. またピラミッド構造断面の試料を作製しTEM観察を行った結果,結晶間の有機膜を貫いているMineral bridgeの存在が確認された.さらに積み重なった結晶の方位が徐々に変化していくことが示された.このことは上の結晶がMineral Bridgeを介して下の結晶の方位を引き継いで成長することを示すものと考えられる.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205546927616
  • NII論文ID
    130004601106
  • DOI
    10.14824/jakoka.2007.0.173.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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