異なる幹細胞より誘導した心筋細胞の特徴の差
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- 山本 由姫
- タカラバイオ株式会社CDMセンター
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- 西江 敏和
- タカラバイオ株式会社CDMセンター
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- Caroline AMEEN
- TAKARA BIO Europe AB
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- 榎 竜嗣
- タカラバイオ株式会社CDMセンター
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- 峰野 純一
- タカラバイオ株式会社CDMセンター
書誌事項
- タイトル別名
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- The response to cardiac toxicological compounds of cardiomyocytes derived from several stem cell lines
説明
ヒト多能性幹(iPS)細胞由来心筋細胞は in vitroで重篤な心毒性を探索することのできる新しい手法であり、新薬開発においては大きな注目が集まっている。しかしながらその心筋細胞の特性は今なお完全には解明されていない。<br>iPS細胞由来心筋細胞におけるドナーiPS細胞の影響を調べるために異なるiPS細胞由来の心筋細胞を用いて実験をおこなった。両細胞とも解凍後2日目より自立拍動能を示し、80%以上の細胞が心筋細胞マーカー(cTnT)を発現していることを確認した。その後MED64システムを用いて細胞外電位変化測定試験をおこなった。この時のMEDプローブへの播種効率は85%以上であり、プローブ播種後2日目には同調した拍動見られた。各イオンチャネル阻害剤であるE4031, Mexiletine, Chromanol293B, Verapamilを添加したところ、E4031, Mexiletine, Chromanol293Bにおいてはそのフィールド電位間隔(FPD; Field potential duration)の伸長が、そしてVerapamilにおいてはそのFPDの短縮が容量依存的に確認された。両心筋細胞とも同一のプロトコルを用いており、各リファレンス化合物に対して同様にFPDの伸長・短縮傾向を示したが、拍動速度の点においては一部異なる傾向を示した。<br> 以上の結果よりiPS細胞由来の心筋細胞における薬剤応答性はドナー細胞の影響が大きいことが示唆される。近年さまざまな誘導法が確立され、我々も京都大学山下研との共同研究において薬剤選択を必要としない新たな心筋誘導系を確立している。ドナー細胞株差だけでなく、その誘導法と細胞株の組み合わせの重要さに関してもあわせて報告する。
収録刊行物
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- 日本毒性学会学術年会
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日本毒性学会学術年会 43.1 (0), P-146-, 2016
日本毒性学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205547169792
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- NII論文ID
- 130005260687
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可