マウスにおける反復マイクロサンプリングのための臨床検査測定法の最適化
書誌事項
- タイトル別名
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- Optimization of clinical examination method for multiple blood microsampling in mice
説明
【背景・目的】マウスにおける反復マイクロサンプリング(反復MS)は,複数項目の評価が求められる臨床検査への応用が進んでいない。応用するには,希釈した試料における低値での測定精度の向上が求められる。本研究は,マウスの微量採血(30 μL)に対応するために測定法の変更・改良を行い,これらの測定法の妥当性を確認した。<br>【方法】マウス(Crl:CD1(ICR), 6-8 wks, Male)の血液・血漿を用いた。①血液化学的検査 (AST, ALT, TBIL, UN, CRE, IP, Ca, GLU):10倍希釈血漿を測定するために分析装置TBA-120FRの分析パラメータの最適化を図った。改良法の並行精度,希釈直線性及び検出限界の確認,並びに改良法での10倍希釈測定値と当施設の従来法による未希釈測定値を比較した。②血液学的検査 (CBC, WBC-DIFF, Reticulocyte):5倍希釈血液を分析装置XT-2000iVの微量モードで測定し,並行精度の確認,並びに標準モードでの測定値と比較した。<br>【結果・考察】①いずれの項目も並行精度はCV = 0.2-12.2%,Salineによる希釈直線性はR2 > 0.9,検出限界は10倍希釈したマウス血漿(無処置)を検出できるものであった。また,改良法と従来法との相対誤差は10%未満であった。②CBC及びReticulocyteの並行精度はCV < 5%,WBC-DIFFは装置の並行精度の仕様を満たした。標準モードに比べ微量モードはReticulocyteが低値傾向を示したが,R2 > 0.9の相関が確認され,標準モードと同等の毒性変化を捉えることが可能と判断した。また,微量モードはMonocyteが高値を示し,WBC-DIFFの正確さに懸念があったが,塗抹標本観察により代替可能と判断した。以上より,改良または変更した測定法の妥当性が確認され,これらの測定法をマウスの反復MSに適用可能と思われた。反復MSをマウスの毒性試験に応用することで,個体毎の経日的変化を捉えることが可能となり,かつ動物数の削減が期待できる。
収録刊行物
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- 日本毒性学会学術年会
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日本毒性学会学術年会 43.1 (0), P-110-, 2016
日本毒性学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205547247104
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- NII論文ID
- 130005260585
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可