ウサギ皮膚刺激性評価に及ぼす毛周期と病理組織学的解析

  • 坂本 興嗣
    大正製薬株式会社 安全性・動態研究所安全性研究室
  • 守田 淳哉
    大正製薬株式会社 安全性・動態研究所安全性研究室
  • 山下 晴洋
    大正製薬株式会社 安全性・動態研究所安全性研究室
  • 石原 朋子
    大正製薬株式会社 安全性・動態研究所安全性研究室
  • 山崎 紀世
    大正製薬株式会社 安全性・動態研究所安全性研究室
  • 小山 知子
    大正製薬株式会社 安全性・動態研究所安全性研究室
  • 有馬 和範
    大正製薬株式会社 安全性・動態研究所安全性研究室
  • 堤 俊輔
    大正製薬株式会社 安全性・動態研究所安全性研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of hair cycle on skin irritation evaluation in rabbits and its histopathological analysis

説明

【背景・目的】ウサギは毛周期を有し、休止期から成長期への移行期(アイランドスキン)では、皮膚が薄い赤紫色を帯び、やや肥厚する変化を認める。ウサギを用いた皮膚刺激性評価において、アイランドスキンによる変化と、刺激応答による変化を区別することが困難な場合がある。このことから、アイランドスキン及び炎症部位の皮膚組織について病理組織学的検査を実施し、これらの区別が可能であるかを検討した。<br>【方法】刺激性評価の際に評価部位として使用する、休止期状態の皮膚(スムーススキン)と、アイランドスキンの皮膚組織を採取し、病理組織学的検査を実施する。次に、刺激物質をウサギの背部皮膚に投与し、Draizeの評価基準に基づき皮膚反応観察した結果、刺激応答が認められた評価部位について、病理組織学的検査を実施し、アイランドスキンで認められた組織学的変化と比較した。<br>【結果】アイランドスキン(触診にてごく軽度の膨らみを感じる部位)では、組織学的に浮腫はなく、毛周期の成長期移行を伴った真皮の肥厚が認められた。また、刺激物質を投与した皮膚では、組織学的には真皮の浮腫、出血及び炎症細胞浸潤といった炎症性変化が認められた。以上より、アイランドスキンでは、明らかな炎症性変化を示唆する組織学的変化は認められず、刺激物質を投与した皮膚の組織学的変化(炎症性変化)とは異なるものであった。<br>【考察】刺激性評価部位にアイランドスキンが認められ、肉眼及び触診による皮膚反応観察では、刺激応答による変化との識別が困難な場合、組織学的検査を行うことで、皮膚反応が炎症性変化に起因した変化であるかを鑑別することができると考えられた。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205547684352
  • NII論文ID
    130005468778
  • DOI
    10.14869/toxpt.41.1.0_p-247
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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