Elucidation of the function of Aryl hydrocarbon reseptor (AhR) at adipose tissue

DOI
  • MOTOHIRA Kodai S.
    Laboratory of Toxicology, Graduate School of Veterinary Medicine, Hokkaido University
  • IKENAKA Yoshinori
    Laboratory of Toxicology, Graduate School of Veterinary Medicine, Hokkaido University
  • DARWISH Wageh S.
    Laboratory of Toxicology, Graduate School of Veterinary Medicine, Hokkaido University
  • NAKAYAMA Shouta M.M.
    Laboratory of Toxicology, Graduate School of Veterinary Medicine, Hokkaido University
  • MIZUKAWA Hazuki
    Laboratory of Toxicology, Graduate School of Veterinary Medicine, Hokkaido University
  • ISHIZUKA Mayumi
    Laboratory of Toxicology, Graduate School of Veterinary Medicine, Hokkaido University

Bibliographic Information

Other Title
  • 脂肪組織における芳香族炭化水素受容体(AhR)の機能解明

Description

【はじめに】AhR(芳香族炭化水素受容体)はシトクロムP450をはじめとした種々の薬物代謝酵素を誘導することで異物の代謝に関与する受容体として研究が進められてきた。近年、従来主要な役割であると考えられてきた異物の代謝に加え、成長因子、抗酸化因子、炎症物質などを誘導するといった新たな生体内での役割が注目を集めている。AhRは肝臓や肺といった異物代謝活性が高い組織で活性が高く、上記に挙げた新たなAhRの働きの研究がなされているのに対し、薬物の「蓄積」という特徴的な応答を示す脂肪組織における反応は未知の部分が多い。そこで本研究では脂肪組織におけるAhRの働きを探求するとともに他組織との比較を試みた。<br>【方法】脂肪組織としてヒト脂肪由来幹細胞、肝臓組織としてヒト肝癌由来細胞を用い、AhRのリガンドと考えられているβ-naphthoflavoneを含む複数の化学物質を暴露した。これらの暴露細胞から抽出、精製したcDNAを用いて比較リアルタイムPCR法により各組織における異物代謝酵素と成長因子をはじめとした異物代謝とは直積関与するわけではない遺伝子の発現量を暴露-被暴露間、肝-脂肪細胞間で比較した。<br>【結果と考察】AhRリガンド暴露の結果、ヒト脂肪由来幹細胞、ヒト肝癌細胞の何れの細胞においてもCYP1A1や成長因子である繊維芽細胞増殖因子(fgf2など)の発現量の増加が確認された。種々の遺伝子で脂肪由来幹細胞と肝癌細胞の間で反応性や遺伝子発現量に違いが確認された。この結果から一般的に肝臓で誘導が認められている遺伝子に関して、脂肪組織でも誘導されていることが明らかになった。また今回観察を行った繊維芽細胞増殖因子では複数のサブファミリーがAhRリガンドにより誘導されており、繊維芽細胞増殖因子の全てのサブファミリーがAhRの支配を受けていることが示唆された。本研究の結果、種々の遺伝子で脂肪由来幹細胞-肝癌細胞間に反応性や遺伝子発現量に差が見られ、これが脂肪組織におけるAhRの他組織における働きとの違いと推測出来た。

Journal

Details 詳細情報について

  • CRID
    1390001205548003968
  • NII Article ID
    130005260876
  • DOI
    10.14869/toxpt.43.1.0_p-84
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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