幼若ラットにおける消化管CYPの経時的変化の解析

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Developmental changes of small intestinal cytochrome-P450 in juvenile rat

抄録

【緒言】近年、小児医薬品開発においては、非臨床での安全性評価に幼若動物を用いた試験の実施が推奨されている。幼若動物ではCytochrome P450(CYP)の発現が発育の過程で変動することが知られているが、薬物に対する応答性の変動については詳細な報告がない。そこで我々は、幼若ラットを用いて食品や医薬品のCYPに対する影響や相互作用の有無を評価できる時期を明らかにするため、小腸と肝臓におけるCYP3Aの発現と薬物応答性の変動を経時的に解析した。【方法】生後4日目(Postnatal Day 4; PD4)から42日目までのCrl:CD(SD)系雄性ラットから小腸と肝臓を摘出し、調製したミクロソームを用いてCYP3Aのタンパク発現量と活性を、それぞれWestern blotting法とP450-GloTM CYP450 Assay Systemを用いての発光法により解析した。各日齢の剖検前日には、蒸留水またはCYP3A誘導剤のDexamethasone(DEX)を単回経口投与した。【結果】小腸ではPD 21までCYP3Aの活性は検出されず、PD 28に大きく上昇して検出された。DEXの投与に対しては、小腸のCYP3Aのタンパク発現はPD 21から有意な増加を示したが、活性は7日間遅れてPD 28に有意な増加が確認された。肝臓ではPD 4からCYP3Aのタンパク発現・活性ともに検出され、DEXの投与により有意な増加を示した。【考察】幼若ラットでは消化管におけるCYP3Aの発現と活性が発育に伴って増加し、PD 28以降に成ラットと同等の薬物応答性を獲得することが明らかとなった。現在、消化管CYPを介した食-薬または薬-薬相互作用の発現について、幼若ラットでは成獣と異なる結果を示すのかどうか検討しているので、その結果も併せて報告する。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205548346496
  • NII論文ID
    130005468588
  • DOI
    10.14869/toxpt.41.1.0_o-21
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ