治療領域,毒性プロフィールを考慮した安全域の考え方の違いとその実例

書誌事項

タイトル別名
  • Consideration and examples of safety margin in different indications/toxicology profile of developmental drugs

説明

安全な臨床導入のためには,標的となる治療領域ならびに化合物の毒性プロフィールを十分考慮した上で安全域を設定することが極めて重要である。一般に通常の医薬品開発における臨床導入時には,できるだけ広い安全域が好ましく,開発のストラテジーによっては,臨床における長期投与も考慮して臨床開始用量として30~100倍の安全域を設定する場合もある。一方,抗がん剤など生命を脅かす重篤な疾病を対象とする医薬品においては,臨床第I相から患者への投与が行われるため薬効が優先され,通常行われるような無毒性量(NOAEL)から計算される安全域は必ずしも要求されない。また,希少疾患や各種遺伝病などのUnmet medical needsの高い難治性疾患などにおいても,通常の医薬品開発と異なる安全域の考え方が想定されるだろう。さらに,化合物において認められた毒性が薬効の延長上(On-target)の毒性かどうか,モニタリングできるかどうか,臨床で認められた場合の重篤度なども考慮した上で,安全域ならびに臨床開始用量を変えるケースも想定される。これらは患者ならびにボランティアの安全を第一に考える一方で,Unmet medical needsをできるだけ早く充足する為にケースバイケースで戦略的に考えられるものであり,医薬品開発におけるノウハウの一つとも考えられよう。<br>本発表では,先に行われた製薬各社を対象とするアンケートの結果を踏まえて,治療領域,毒性プロフィールを考慮した安全域の設定について,様々な考え方や傾向を分析した結果を紹介する。また,通常の医薬品(中枢薬など)と抗がん剤などの重篤な疾病を対象とする医薬品について,実際に設定した安全域とその設定根拠等について,当局に提出した資料に基づいて具体的な例をいくつか紹介する。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205548389376
  • NII論文ID
    130005468939
  • DOI
    10.14869/toxpt.41.1.0_w9-4
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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