胚・仔魚期のゼブラフィッシュを用いる短期毒性試験法およびニセネコゼミジンコを用いる繁殖試験法の確立
書誌事項
- タイトル別名
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- Establish of short-term toxicity study in zebrafish during embryo and larval stage, and reproduction study in Ceriodaphnia dubia
説明
環境省は水環境保全のための今後の取り組み(第三次環境基本計画)に掲げられた「新たな排水管理手法の導入」として、生物応答を利用した排水管理手法などの有効性について検討会を発足させた。この手法は、物質単位での濃度に着目した分析結果による管理手法とは異なり、事業所からの排水中に含まれる化学物質の総体的な生物へのリスクを直接測るという新たな管理手法(毒性試験法)であり、水生生物の保全を目的とした手法である。検討会では、対象生物として藻類、甲殻類、魚類についての影響を評価するとした。<br> 今回我々は魚類およびミジンコについて、環境省の請負事業として(独)国立環境研究所が設置した「平成24年度排水(環境水)管理のバイオアッセイ技術検討分科会」が検討している「胚・仔魚期の魚類を用いる短期毒性試験法 案」および「ニセネコゼミジンコを用いるミジンコ繁殖試験法 案」を基に試験系を立ち上げた。<br> 魚類の試験法は胚を受精直後から供試試料(排水や環境水)に9日間(48時間換水)暴露し、試験期間中の生存率、ふ化率やふ化後の生存率を調べ、供試試料の胚期の魚類に対する急性および亜慢性毒性を明らかにすることを目的とした。ミジンコの試験法は生後24時以内の仔虫を供試試料に最長8日間暴露し(48時間換水)、3腹分の産仔数に基づいて繁殖に対する慢性毒性影響を明らかにすることを目的とした。今回被験物質として、基準物質であるCuSO4およびNaClを用いて、それぞれの感受性試験を実施した。<br> 結果、弊社施設におけるゼブラフィッシュのLC50およびNOECはそれぞれCuSO4:0.14 – 0.23 mg/Lおよび0.05 mg/L、およびNaCl:1.9 g/Lおよび0.375 g/Lであり、ミジンコ繁殖のLC50およびNOECはそれぞれNaCl:0.93g/Lおよび0.750 g/Lであった。
収録刊行物
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- 日本毒性学会学術年会
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日本毒性学会学術年会 41.1 (0), P-143-, 2014
日本毒性学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205548586112
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- NII論文ID
- 130005468601
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可