ヒトiPS細胞由来神経細胞の特性に関する基礎的検討(製薬協「ヒトiPS細胞応用安全性評価コンソーシアム」)

  • 板野 泰弘
    日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 基礎研究部会 ヒトiPS細胞応用安全性評価コンソーシアム 帝人ファーマ株式会社
  • 石井 美沢
    ヒトiPS細胞応用安全性評価コンソーシアム 武田薬品工業株式会社
  • 岡村 智雄
    ヒトiPS細胞応用安全性評価コンソーシアム 東レ株式会社
  • 近藤 卓也
    日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 基礎研究部会 ヒトiPS細胞応用安全性評価コンソーシアム 大鵬薬品工業株式会社
  • 土山 博美
    ヒトiPS細胞応用安全性評価コンソーシアム 東レ株式会社
  • 松田 純一
    日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 基礎研究部会 ヒトiPS細胞応用安全性評価コンソーシアム 一般財団法人化学及血清療法研究所
  • 宮本 憲優
    日本製薬工業協会 医薬品評価委員会 基礎研究部会 ヒトiPS細胞応用安全性評価コンソーシアム エーザイ株式会社
  • 森川 崇
    ヒトiPS細胞応用安全性評価コンソーシアム LSIメディエンス株式会社

書誌事項

タイトル別名
  • Basic research for property of human iPS cells-derived neurons (Consortium for safety assessment using human iPS cells)

説明

医薬品による副作用の中で中枢神経系(CNS)副作用は重篤性が高く、かつ非臨床試験からその発現を予測することが困難である副作用の一つとして知られている(J. Toxicol. Sci. 2013)。したがって、臨床でのCNS副作用を的確に予測できる非臨床評価法の確立は、製薬企業にとって極めて重要な課題である。現在、一般的に用いられているCNS副作用の非臨床評価法は、in vivo試験としては主に安全性薬理試験(ICH S7A)ガイドライン記載のFOB (Functional Observational Battery)法やIrwin法であり、in vitro試験としては初代培養神経細胞等の動物由来標本を用いた評価が中心となっている。しかし、いずれも種差の課題がありヒトでのCNS副作用の予測性は高くない。<br> このような状況下、近年、ヒト iPS細胞から神経細胞の分化誘導が可能となり、ヒト神経細胞を用いた安全性評価系にCNS副作用評価ツールとしての期待が高まっている。<br> そこで我々は、製薬協「ヒトiPS細胞応用安全性評価コンソーシアム」神経チームの活動の一環として、市販ヒト iPS細胞由来神経細胞が成熟神経細胞としての特性を獲得しているかどうかを検証するために、神経細胞特異的細胞死の1つであるグルタミン酸受容体を介した興奮毒性に着目し、グルタミン酸を含む既知神経細胞毒性物質の細胞生存に対する影響について検討した。<br> ヒト iPS細胞由来の神経細胞としてiCell Neuron(CDI)を用いた。また、細胞死の神経細胞特異性を検証するため、ラット初代培養大脳皮質神経細胞及びマウス3T3細胞(非神経系株化細胞)を比較対照細胞として用いた。各細胞をグルタミン酸、N-methyl-D-aspartate (NMDA)、ピクロトキシン及びスタウロスポリンで24-48時間処理した後、細胞内ATP量及びLDH漏出量を測定することにより細胞生存及び細胞死をそれぞれ定量化した。さらに、細胞内ATP量及びLDH漏出量に対する各物質の IC50を算出し、細胞間で比較することにより、iCell Neuronの神経細胞特性について検証した。本発表では、iCell Neuronの特性を電気生理学的に検討した結果についても合わせて報告する。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205548711680
  • NII論文ID
    130005468676
  • DOI
    10.14869/toxpt.41.1.0_p-152
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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